約 43,139 件
https://w.atwiki.jp/fantomdorapoke/pages/44.html
前へ 絶望の再会 のび太は自分が作ったポケモンの世界の欠陥を思い知らされた。 この世界の支配者は自分じゃない『レッド』なのだと―― 降りしきる雨の中、のび太はフラフラとそんなことを考えながら歩いた。 空地を出て、レッドが住んでいる王宮の方角を目指した。 会いたい、会ってレッドの存在を確かめたい。そんな気持ちが募る。 腹立たしい、自分を差し置いて王気どりなのが許せなかった。 (この世界を作ったのはレッドじゃない、この僕だ) その気持ちだけが心を支配した。 しかし、雨は止むことはなく、のび太に容赦なく降りかかる。 それはのび太がこの世界の支配者じゃないことを暗示しているかのようだった。 寒い、傘もささずに夜道を歩いていれば当然だ。 何か、雨を凌ぐものがあれば…… のび太はどこかにコンビニでもないかと探したが、見つからなかった。 今の世の中、コンビニはどこにでもあるはずだったが、この世界にはコンビニ一つもない。 このままでは風邪を引いてしまう。せめて厚着を着てくれば良かった。 のび太が絶望に浸っていると誰かが傘を自分に差し出してくるではないか。 (ラッキー!) のび太に傘を差し伸べてくれた人物は、 170センチ前後ののび太と同じくらいの背丈の長身の女性で、のび太は見覚えがあった。 幼き頃からの友人、源静香だ。 「のび太さんね。傘もささないで歩いてびしょぬれじゃないの!」 のび太は開口一番から怒られた。 でも嬉しかった。やっと見知った人と巡り合えたのだ。 「静香ちゃん、久しぶりだね。僕が作ったこの世界はどうだい?」 のび太は調子良く、静香に問いかけた。 「………のび太さん、最低!」 静香は顔を下に向き、一瞬悲しげな仕草をした後、のび太の頬をひっぱたいた。 のび太は不意をつかれてよろめいた。 「のび太さんのせいよ! のび太さんが作った世界はめちゃくちゃよ! この世界に来て一年経つけど、レッドとかいう独裁者が国民を苦しめているだけじゃない! 罪もない善良な多くの人たちがちょっとでもレッドを批判したりしたら、 捕らえられて王宮の地下深くにあるという牢獄に閉じ込められるのよ!」 静香は泣きながら怒気を含んだ声で言った。 その顔は悲痛で様々な苦しみを経験してこなければ出来ないような顔だった。 「この世界に来て一年だって? 今日作ったばかりの世界だよ。僕は今日この世界を創造してやってきたのさ!」 確かに静香とのび太の言っていることには食い違うことがあった。 のび太は今日この世界にやってきたのだ。また、静香も同様のはず…… (どういうことだ? 何らかの拍子で時間軸がずれたのか?)のび太は疑問に思った。静香は一年前にこの世界に来たと確かに言っているのだ。 「確かに、のび太さんを見かけたのは今日が初めてだわ! のび太さんだけ、この世界に来たのはおかしいわね。 でも、のび太さんがこの世界を作って皆を苦しめたのは確かなの! 早く元の世界に戻しなさい!」 静香は既に頭に血が上っている様子だ。怒りに我を忘れそうにさえなっている。 そんな静香を見たのは初めてだった。 「うるさいなっ!」 のび太は逆切れして静香を殴り飛ばした。 はっとしたときには静香の体は地面に横たわっていた。 のび太は後悔した。怒ったとはいえ、まさか自分が手を挙げるとは予想出来なかった。 (しまった……僕はなんということを……) 後悔しても遅い。静香は悲しんでのび太を見上げている。 まさか自分の心がこんなにもすさんでいたとは思いもよらなかった。 「昔ののび太さんとは違う。どうしてなの!? どうして!」 静香は酷く失望した目をしていた。 「ごめんよ……悪気はなかったんだ。ついカッとなって口より手が出てしまった。 今は反省している。けがはしていないかい?」 のび太は反省の色を見せ、静香に近寄ったが、その手を静香が払いのけた。 「近寄らないで! もう知らない!」 そう言って静香は痛みをこらえた様子で立ち上がった。 そして豪雨の中駈け出して行ってしまった。 その瞬間――突然凄まじい落雷が落ちた。静香の方だ。静香の悲鳴が聞こえる。 民家が建ち並ぶ歩道の数軒先からのものだった。 のび太は傘を手に急いで数軒先の民家の近くへと走り出した。 息を切らしながら静香にたどり着くと、 ガクガクと震えている静香を漆黒のジャンパーにフードを被り、 ゴーグルを身につけた男が、静電気を全身にまとったポケモンを従えて見下ろしていた。 「静香ちゃん、この男は?」 問いかけても静香は返事をしてくれなかった。 のび太に対しての嫌悪感とはまた別な理由からのようだ。 それ程この異形の男が恐ろしいらしい。 謎の男が従えているポケモンはトゲが全身を覆っているサンダースだった。 「源静香……トレーナーランキング56位、ゴミめ。 お前のことは知っているぞ王国の反乱分子だ。 レッド様に忠誠を誓わない者は女だろうと容赦はせん」 謎の男はそう言い放つと静香の胸倉を掴んだ。 静香は苦しみもがくが女の力では振りほどくことができない。 「待て! お前は何者だ! どうして静香ちゃんを狙う!」 のび太は鼻息を荒くして謎の男に突っかかった。 「ずいぶん威勢がいいな、だが、調べてみると野比のび太、 トレーナーランキング127位。やはりゴミだな。 俺の相手ではない。俺は王国警備隊員のデンジだ」 「王国警備隊員? 何だそれは」 「王国警備隊とは、王国中のトレーナーの中から選りすぐりのエリート5人で構成された。 王国の秩序を守る部隊だ」 デンジは雨の中、フードと相手の強さが分かるゴーグルを外し、端正な容姿を露わにした。 「丁度いい、この女をかばうのであれば貴様も反乱分子だ。 この俺の電気ポケモンの力を思い知るがいい、いけっ、サンダース!」 「静香ちゃんは僕が助ける! いけっ、キノガッサ!」 二匹のポケモンが睨みを利かせる。互いに主人の命令を今か今かと待っている。 しびれを切らして先に攻撃したのはサンダースだった。 「サンダース、目覚めるパワー氷」 目覚めるパワーとは使うポケモンによって技のタイプが違う特殊な技である。 このサンダースが使う目覚めるパワーは氷。キノガッサの弱点だ。 サンダースの全身から凄まじい冷気が襲いかかる。 あっと言う間にキノガッサはダウンした。 あまりのサンダースの強さにのび太は一瞬何が起きたか分からなかった。 「クソっ、戻れ! キノガッサ!」 のび太は舌打ちをしながらキノガッサをボールに戻して、 まだどんなポケモンが入っているかわからないボールを投げた。 中から出てきたのは期待を裏切る水、飛行タイプのギャラドス―― 闘いの最中、降り注いでいた雨はいつのまにかやんでいた。 しかし、電気タイプのポケモン相手にとっては絶望的なギャラドスが出てくると 悲壮感も出てきた。ギャラドスは中国の龍を思い浮かべる姿で見かけは強そうだが、 現に強いのだが、電気タイプ相手には致命的という弱点を持つ。 何しろ弱点が重なっているのだ。 「俺のサンダースの格好の餌食だ。サンダース、10万ボルトを浴びせてやれ」 デンジの声とともに稲光が走り、凄まじい雷撃がギャラドスを無残にも黒こげにした。 これでのび太は瞬く間に二匹のポケモンを失い、デンジのあまりの強さに驚愕せざるを得なかった。 (レベルが違いすぎる。でも、最後まで諦めない) まだのび太は諦めなかった。諦めやすいのび太でもまだ諦めるのは早い。 のび太には最強のドラゴンポケモン――ガブリアスが残されているのだ。 「いけっ! ガブリアス! もうお前しか残されていないんだ! 絶対勝てよ!」 「いくら強力なポケモンを出してきたところで、 俺のサンダースには勝てない。サンダース、目覚めるパワー氷!」 サンダースは全身を震わせて冷気を放出する。 その威力は極めて高く、ガブリアスを凍りつかせる程だった。 「サンダース、とどめだ。目覚めるパワー氷! 絶望と共に散れ、野比のび太」 デンジは容赦なくサンダースに目覚めるパワーを命じた。 サンダースは凍りついたガブリアスにも容赦せずに冷気を浴びせる。 もはやガブリアスは戦闘不能となっていた。 (この僕がストレートで負けた!?) 気がついたら負けていた。デンジのあまりの強さにのび太は絶望すら覚えた。 「口ほどにもなかったな。さてと……」 デンジはサンダースをボールに戻すと、別のボールを掴み、投げた。 黄色の体色をした鳥が大空を飛翔しながら現れた。 「伝説の鳥ポケモン、サンダーだ。 そして俺の切り札でもあるが、今はこの女をレッド様の元へ送るために使う。 だが、のび太……お前は弱すぎる。虫けらに過ぎないお前は哀れだ。見逃してやる」 そう言うとデンジは横で震えている静香を捕まえると強引にサンダーに乗せて 飛び去ろうとする。静香は必死の抵抗を試みるも屈強なデンジに成すすべもない。 のび太はポケモンを使って何とかしないのかと疑問に思ったが、 静香の腰にはモンスターボールが付いていないのに気付くと ――ああ、ポケモンを持っていないんだなと悟った。 きっと、これまでの戦いで奪われたのかもしれない。 「静香ちゃん!」 のび太は叫んだ。 「のび太さん! 助けて!」 静香は涙ながらに訴える。静香の悲痛な叫びがこだました。 静香の叫びは近所中に届いているはずなのだが、誰も助けようとしない。 辺りを見回してみると不思議なことに、 通行人は誰も気にも留めていない様子なのに気づいた。 路上を歩いている会社帰りのサラリーマン風の男達。 彼等は一人の女性が大男に連れ去られようとしているのに見向きもしない。 のび太は静香を助けようと思案するものの、 デンジと静香を乗せたサンダーははるか上空へと消えていった。 のび太はさっきまで激闘を繰り広げた路上で絶望に打ちひしがれていた。 静香ちゃんを勝手にこの世界に巻き込み、デンジに何も出来ずにあっという間に 静香ちゃんを奪い去られてしまった。静香を助けることができない自分にいら立ちを覚える。 デンジが静香を連れ去るのを阻止できなかった。 阻止するどころか足が震えて何も出来なかった。例えようのない恐怖が支配していた。 (元の世界に戻そう。この世界は何か変だ) のび太は元の世界に戻す決心をした。意を決して自宅へと駆け出す。 自宅へと走りながらのび太はデンジの言葉を思い出した。 『お前は虫けらに過ぎない』 とても腹立たしかった。でも何も出来ない、どうすることも。 もしもボックスを使ってこの世界の存在そのものを消してしまえば忘れるだろう。 しかしその言葉が頭から離れられない。デンジの嘲笑った表情が脳裏によぎる。 でも、のび太は駆け出すのをやめなかった。自分はとても臆病な人間だと思った。 「ふん、言いたい奴は言えばいい」 のび太はそう吐き捨てた。自宅までもう少しだ。これで何もかも終わる。 そう思った時であった。路地を曲がった直後、とても懐かしい見知った者が姿を現した。 その人物は非常に整った端正な美しい容姿の青年だった。 背がのび太よりはるかに高く、見上げるだけで精一杯だ。 190センチは確実にあるだろう長身を持て余してこちらを見下ろしていた。 その人物こそ出木杉英才――のび太の青年期における最高の親友だ。 出木杉とは少年時代はそれほど親しい間柄でもなかった。 しかし、中学校に上がると周りの環境は変わった。 静香やスネ夫など受験して私立中学に通う者が多くなり、 小学校時代に遊んでいた友達は激減してしまった。 出木杉も当然、私立に通うのだと思っていたが、なんとのび太と同じ公立の中学になった。 しかも、クラスも同じ。これは信じられないことだった。 だが、これが出木杉と親しくなるきっかけとなったことは間違いない。 今、その出木杉が自分の前に立っていると思うと激しい動悸がした。 のび太は嬉しかった。すぐにでも今までの経緯を話して謝りたい気持ちでいっぱいだ。 「出木杉、久し振りだな」 そう言いながら出木杉の肩をポンと叩いた。 「愚かな奴だ……」 出木杉はのび太の手を払いのけながら呟いた。 冷徹な視線がのび太の胸を突く。出木杉の目は驚くほど冷徹だった。 かつての優しい出木杉の面影はない。のび太はショックを受けた。 「出木杉、どうしたんだ?」 「のび太、お前はこの世界を元の世界に戻そうとするが、無駄だ。既に手は打ってある」 出木杉が話し終えると、のび太の家の方角からまたも懐かしい人物 ――いや、人ではない猫型ロボットのドラえもんが空を飛ぶ道具『タケコプター』を 頭に装着し、プロペラを回転させながら猛スピードでこちらへと向かってくる。 そして、出木杉の右隣に着地してタケコプターをしまうとのび太へと目を向けた。 「のび太君は相変わらず馬鹿だね。まんまと僕と出木杉君の罠に嵌まるなんて」 ドラえもんが腹を抱えて大笑いしながら言った。 一方、隣の出木杉は眉一つ動かさない。 「どういうことだ、ドラえもん!」 のび太は憤りを隠せなかった。どうして未来へと帰ったはずのドラえもんが 出木杉と一緒にいるのだ? その答えを知りたかった。 「簡単なことだよ。僕は未来へなんか帰っていない。 君と喧嘩したあの日……僕はすぐに出木杉君のロボットになったんだよ」 ドラえもんが高笑いしながら、のび太の問いに答えた。 のび太はその言葉にショックを受けた。 (まさか……そんなことが?) あまりの衝撃に頭の中が真っ白になりそうだ。ドラえもんが出木杉のロボットに? 「その通りだ。ドラえもんは何年も前から俺のロボット。 せいぜい絶望するがいい……愚かなのび太よ」 さらに追い打ちをかけるような出木杉の冷酷な言葉が胸を刺した。 だが、のび太はまだ言い返すだけの気力は残っていた。まだ奥の手があるのだ。 「ふははははははーーっ! それで僕を罠に嵌めたつもりか! 君達はもしもボックスに細工を施して僕に都合の悪い世界を演出させたつもりだろうが、 勘違いしてるぞ! 今から僕が家に戻って元の世界に戻せばそれで終わりだーっ!」 狂ったような叫び声をあげた。そうだ、家に戻って元の世界に戻せば全て終わるのだ。 「………のび太、やはりお前は愚かだ。 たった今もしもボックスはドラえもんが回収したばかりだ。残念だったな」 出木杉の一言にのび太は発狂して叫んだ。 「うああああああああーーっ!」 のび太の絶望が頂点に達し、どん底に落とされたような悲痛な叫びがこだました。 その場に膝をついて拳で雨で濡れたアスファルトを叩いた。両目から涙が流れ落ちる。 「この世界でお前が生き残る道はただ一つ、国王レッドを倒すことだ。 国王レッドにポケモンバトルに勝てばドラえもんは元の世界に戻してくれる。 デンジとのバトルで己の非力さを思い知っただろう。 這い上がれ……のび太」 出木杉はそう言い残すとドラえもんと共にその場を後にした。 レッドの王宮 平凡な街に似つかわしくない威容を示している宮殿。 それはこの国が民主主義ではなく、専制君主による支配を現していた。 この圧倒的存在感を誇る宮殿に仕えているトレーナーはおよそ三百名。 彼らはエリートであり、一般市民の羨望を集めていた。 唯一無二の絶対君主『レッド』の手足のごとく働き、どんな命令も遂行する。 もはや神にも等しい、その絶対君主レッドは背もたれの高い玉座に座り、 片手にワイングラスを持って口に運びながらモニターに映し出された青年の映像を眺めていた。 煌びやかな王冠を被り、華美なマントをはおっている。 「のび太って言ったっけ? この間抜け面に勝てば永遠にこの世界を支配できるんだな?」 レッドは注がれたワインを飲み干しながら、視線を正面に立っている奇妙なロボットに言った。 「約束は守る。お前がのび太君に勝てば、この世界はお前にやる。 でも、お前が負ければこの世界を元に戻す」 ロボットは淡々とした口調で返した。 「ドラえもん、俺がこんな奴に負けると? 冗談はやめてくれ。 俺は地上最強のトレーナー、レッドだ。俺に敵うトレーナーは存在しない」 レッドは自信たっぷりに言い返した。 それもそのはず、レッドは自分が選ばれた存在だと改めて認識する出来事が 一年前に起こったのだ。それは正に彼の人生を大きく左右することだった。 その出来事をレッドは思い返した。一年前――レッドはシロガネ山に居た。 偶然持ち合わせていたラジオで名のあるトレーナーが謎の失踪をするという事件を耳にした時、 レッドの視界が真っ暗になり、意識を失った。 次に目が覚めたときにはなぜかレッドは玉座に座っていたのだ。 レッドは一時混乱状態に陥ったが、頭のいい彼は自分が別の世界に来たことを察知し、 恐らく名のあるトレーナーが失踪したのと深く関連性があるに違いないと考えた。 レッドはこの国では国王として崇められているのを認識すると失踪したトレーナーの行方を捜させ 王宮に集めさせた。それはとても簡単だった。なにしろ服装がこの国の人間と違うからだ。 なんとか失踪したトレーナー全員を王宮の広間に集めさせるとレッドは演説を行った。 『皆さん、我々は見知らぬ世界に迷い込んでしまいました。 しかし、幸運なことにこの世界は我々が居た世界と同様のポケモンの世界です。 この世界で生活することは容易なはず、なぜなら私はこの世界では国王として崇められているのです。 だから心配せず、私にお任せください。皆さんの生活は保証します』 突然、訳のわからない世界に連れてこられ、 平常心を失っているトレーナーの誰もがレッドの言葉に耳を傾けた。 混乱し、パニックに陥っているものが多かったのも幸いして、 元の世界から来たトレーナー全員をいとも簡単に掌握できた。 それからしばらくしてドラえもんと名乗るロボットが訪ねて来た。 ドラえもんはこの世界に自分達を連れてきたのに関与しているという。 『この世界を永遠に支配したいのならば、一年後にやってくるのび太に勝て』 レッドはドラえもんの言葉に承諾し、のび太が現れるのを待った。 そしてドラえもんの言うとおり、のび太はこの世界にやってきた。 レッドはドラえもんが用意したモニターを使ってのび太をどんな人物か見ていたが、 たかがデンジ如きに無様に負けるところを見て拍子抜けしてしまった。 (……のび太は弱い。俺がのび太に負けることは現時点では百パーセントありえない。 だが、潜在能力はかなりのものだ。頂点を極め、多くのトレーナーを見てきた俺には分かる 成長したら相当強いトレーナーになることは明白だ) 心の内でのび太が後々の脅威になることを予感した。 「ドラえもん、のび太は潜在能力だけは計り知れない。 俺はあえて今勝負せず、のび太が成長した時に相手してやる。 それまでこの玉座でひたすら待つ。RPGのラスボスになったような気分だな」 言ってからレッドは腕組みしながら深く目を閉じた。 「………」 ドラえもんは沈黙しながらレッドの言葉に耳を傾けていたが、やがてレッドがそれ以上話さなくなると どんなところでも行くことができる秘密道具『どこでもドア』を四次元ポケットから取り出した。 どこでもドアはピンク色で塗られているだけで、 ドアノブの付いたごく平凡なドアにしか見えない。だが、その性能は素晴らしく、 一度行ったことのある場所ならドアをくぐるだけで瞬時に行くことができるのだ。 ドラえもんはどこでもドアのドアノブをゴムまりのような手でくっ付けて押しあけてからくぐった。 出た場所はとても薄暗く、ひんやりとした牢獄だった。 例えれば刑務所のような場所で鉄格子の中、 多くの囚人たちが手錠をかけられ、身動きできずに固いシーツの上で苦しそうに寝そべっている。 ここはレッド王国の地下にある牢獄だ。 国王レッドに反乱分子として見なされた者達は容赦なく牢獄へと放り込まれる。 そして強制的な労働を強いられ、どんな屈強な者でも音をあげるという。 ドラえもんがこの地下牢に来た理由は二つある。 その一つが労働を強いられた者達を密かに秘密道具で治療するためだ。 それはドラえもんの義務でもあった。なぜなら自分とレッドとの賭けにこの世界の住民は関係ない。 例え仮想世界の住民でも巻き込みたくはなかった。 ドラえもんは手際良く未来の最先端の医療道具で囚人たちを一人一人治療していった。 「すまねえ、いつも助かるぜ」 囚人の誰もがドラえもんに感謝の言葉をかけていた。 それともう一つ、ドラえもんがここに来た本当の目的 ――それはデンジにここに連れてこられた静香に会うためだった。 静香が閉じ込められている檻はさらに奥深くにあった。 屈強な男たちが閉じ込められている牢獄の最後に地下に降りる螺旋状の階段があり、 そこを降りた先に小さな鉄格子が付いた檻が見えた。 静香はドラえもんに目を向けると明らかに敵意むき出しで 「ドラちゃん! いったいどういうことよ! この世界を元に戻して!」 と喚いた。静香の精神状態は極限にまで達していることが窺えた。 ドラえもんは静香を哀れむような目で見つめる。 静香は涙もとっくに乾き切った様子で、身も心もボロボロだった。 「静香ちゃん、ごめん。のび太がレッドに誰にも頼らず一人で勝つまで元の世界には戻せない。 この計画はずっと前から出木杉君と考えていたんだ。 この方法しか駄目だと分かった時から、僕と出木杉君はのび太君に対して厳しく接すると決めた。 例え鬼といわれようとも……僕と出木杉君は目的を達成する」 ドラえもんの目は涙で溢れかえっていた。 「ドラちゃん……」 静香はそれ以上言わなかった。 「本当にごめん……」 それだけ言うとドラえもんは後ろを向き、またどこでもドアを取り出してその場から消えた。 レッドはドラえもんと話を終えた後、自らを補佐する最高幹部達五人を広間に集めた。 最高幹部五人が一度に集結するのは久々のことである。 集まったのは、レッドの代わりに全指揮権を任せている総司令官のクロツグを筆頭に 出木杉、シロナ、リラ、そしてレッド王国警備隊長のワタル。 出木杉意外、いずれも元の世界で名を馳せたそうそうたる顔ぶれだ。 皆、レッドの座っている玉座より一段低い床に深く平伏している。 しかし、出木杉だけは立ったままで冷徹な眼差しをレッドに向けていた。 「出木杉、控えよ! レッド様に無礼だぞ!」 一番に総司令官のクロツグが怒りをあらわにして注意した。 「クロツグ、別に良いではないか。出木杉は厳密にいえば余の配下ではない、 余の協力者が使わした客人なのだ」 レッドはドラえもんと話している時の口調とは違い、威厳たっぷりに言った。 幹部達と接するときは一人称を『俺』から『余』に変え、威厳を示すのだ。 「ははーっ」 クロツグは面白くないといった態度を示しながらも従った。 「皆、立ちあがって良い。いつまでも平伏しているのは窮屈であろう」 レッドが立ち上がるように促すと、幹部全員が立ち上がった。 「余がお前達を呼んだのは他でもない、 余に反目し半年も小競り合いをしてきた『ジャイアン一派』についてだ」 ジャイアン一派とはレッドの独裁体制に不平不満を持つ者達を集めた組織―― いわば反乱分子の寄せ集めといっていい。 規模は三十人程度に過ぎないが、トレーナーランキング5位のリーダー、ジャイアンに 『達人』と呼ばれる9位の骨川スネ吉、それにスネ吉の従兄で11位の骨川スネ夫は侮れない。 その上位三名を除いてもランキング二桁台の強者が多い。1位のレッドには恐れるに足らないが、 幹部達は大いに苦しめられてきた。ランキングが僅差だと戦い方次第では負けてしまうこともあるのだ。 「良く聞くがよい、もうジャイアンとの遊びは終わりにしたい。 新しい遊びを思い付いたのでな。クロツグに命ずる、ジャイアンとそれに与する者は 余に対する反逆とみなし、徹底的に捕らえるのだ」 レッドはクロツグにジャイアン一派との遊びの終わりを告げた。 今までの小競り合いとは違い、徹底的にジャイアン一派を潰す決断を下した。 新しい遊びとはもちろん、のび太のことである。 「ははーっ、ジャイアン一派は必ずや総力を挙げて壊滅して見せます」 クロツグはさっきまでの不機嫌な表情とは打って変わり、満面の笑みを見せて答えた。 それに続いて、他の幹部達も大喜びといった様子だ。 特にクロツグはジャイアン一派のことを面白く思っていなかったのをレッドは知っている。 「お待ちください!」 突然、クロツグの後ろに控えていたワタルが前に進み出た。 「レッド様、ジャイアン一派に制裁を加えるのはこの王国警備隊の精鋭で十分でございます。 ぜひ、私めにお任せください」 「何? 王国警備隊などお前を入れても僅か五人ではないか! そんな少数で何ができる」 すぐにクロツグが反論した。シロナ、リラ、出木杉は沈黙を保っている。 「クロツグ様、少数精鋭と言った言葉をご存じか? 王国警備隊は我々の世界で名の知れたジムリーダー、チャンピオンで構成されています。 この世界の軟弱なトレーナーなど五人で十分でしょう。レッド様、ぜひ私めに」 ワタルの意志の強さについにクロツグは閉口した。 「………良かろう。この件はワタルに全て一任するとしよう」 レッドはしばしの沈黙の後、了解した。 「ありがとうございます。必ずやジャイアン一派を壊滅して見せます」 議論に収拾がつくと幹部達は広間から出て行った。 レッドはワタル一人には手に負えないのではないかと思ったが、 王国警備隊が壊滅したら、また別の者達で結成させればいいと考えた。 非情だが、レッドにとって部下達は使い捨てに過ぎないのだ。 (俺さえ、この王国に君臨出来ていれば他はどうでもいい) レッドはモニターに映された自分に対する現時点ではとても小さな脅威――のび太を見ながら思った。 この小さな脅威もいずれは大きな脅威となるに違いない。 それを恐れつつも、レッドはなぜか楽しみでもあった。自分を脅かすトレーナーの存在を 心のどこかで待ち望んでいたのだ。 (でも最後に勝つのは俺だ。 最強のトレーナーの称号とトレーナーが君臨する世界の支配は俺のものだ。誰にも渡さん) こうしてレッドの支配する王国の夜はふけていった。 次へ
https://w.atwiki.jp/seiyu-coversong/pages/2731.html
原曲・工藤静香 作詞・作曲・中島みゆき、編曲・瀬尾一三 女性アイドル歌手・工藤静香が1996年に発表した楽曲。 TVドラマ「ゆずれない夜」主題歌。 【登録タグ 1996年の楽曲 J-POP アイドルソング ドラマ主題歌 工藤静香】 カバーした声優 関智一
https://w.atwiki.jp/kiba001/pages/29.html
あ行 か行 さ行 た行 な行 は行 ま行 や行 ら行 わ行 ん あ行 あアームズモンスター アクアクラス アタシは負けられないの。 いいつかの感じ悪いおっさん 命の色 インセクトクラス うウルフェン族 え お狼狩り お化け太郎 音也との約束 音也の魂が乗り移った渡 おニャン子クラブ オーラ体 俺の理想郷 オマエのうしろにはいつも俺がいる か行 か会員番号32番 ガラス体 きキバット族 キバットバットⅡ世 キバを受け継ぎし者 キング く砕かれし同胞のかけら 紅音也 被害者調書 け こ恋の病 合コン この世アレルギー コレ、ひどい物ですが さ行 さ再生ファンガイア 3000g食べきれたら1万円!! さくら幼稚園パンダ組にいたくれないおとやくん さよなら、俺の初恋 し失敗する方に500円 嶋財団 真名 す清々しき春風の会 素晴らしきオムライスの会 素晴らしき青空の会 素晴らしき麻生ゆりを愛する会 スーパーヒーロータイム せ制裁の雷 背番号「9071」 1986年8月10日 そ空を飛ぶ牙 た行 た対ファンガイア用ライフル(試作品) 大古代展08 体脂肪ノート タイムプレイ ちチャッカーズ(CHACKERS) つ て と時の扉 ドラン族 な行 な に20億とんで1円 人間はみんなそれぞれ音楽を奏でている ぬ ねネオファンガイア の は行 はハウス!! はじめて獲たボタン 母の志 ひビーストクラス ふファンガイア ファンガイア族 ファンガイアスレイヤー ファンガイアバスター ファンガイアハンター ブラックスター ブラッディ・ローズ フランケン族 へ平成仮面ライダーシリーズ ほ ま行 豆ガンナ まマーマン族 み む め もモンスター や行 や闇のキバ 山本スーザン久美子ちゃんのサイン ゆ よ ら行 らライフエナジー りリザードクラス るルシュラン れ ろ わ行 わ渡が選んだ指輪 3WA(ワールド・ワイド・ウィング・アソシエーション) を ん ん
https://w.atwiki.jp/kiba001/pages/436.html
「リクエスト・時を変える戦い」 ※関西ABC朝日放送は高校野球のため放映日と放送時間が異なります。 第27話 17日(日) 8 00- 8 30 第28話 20日(水) 11 00-11 30 【脚本】井上敏樹 【監督】長石多可男 【アクション監督】竹田道弘(JAE) 【放映日】2008/08/17 【収録DVD】仮面ライダーキバ DVD VOL.7 【OP主題歌】Break the Chain 【ED曲】Individual-System~Fight for justice~ 名護啓介 前回第27話←→次回第29話 →放映リスト 【あらすじ】 1986年。 時を超え音也と出会った名護だが、誰も彼の話を信じようとはしない。このままでは「青空の会」が危ない。名護は強引に棚橋と接触、音也からイクサを奪い取ろうとするのだが、そこに真夜が現れて…。 2008年。 渡と健吾は突如として消えた名護の行方を追う。そんな2人を嶋は「青空の会」の臨時会員に任命するのだが…。 【出来事】 過去この時代のイクサが音也である事を知った名護は、自分は未来からきた『素晴らしき青空の会』の戦士でこの後起こる事件について話し、注意をうながすが・・・。 真夜は音也の才能を見抜くが同時にその才能が思うとおりに評価されていない事も見抜く。音也も思うところがあり考え込む。 名護はこの時代の棚橋に接触。この後起こる事故に注意するように助言し彼を守る事に。偶然居合わせた音也にイクサをよこせと詰め寄るが、絵のモデルをしていた真夜に「芸術を汚すつもり?」と張り手を食らう。 真夜の後をつけるが、自分は何をしているのかと自問自答する。偶然通りかかった音也に「あの女に惚れたな」と見透かされる。そしてクソ真面目な性格も見透かされてしまう。恋をして自分を磨けと言われるが、心に思うところがある名護はこの件に反論できずに話をすり替えて強がりを言う。 名護はゆりを人質にして音也を呼び出すが、返り討ちをくらう。いつものごとくツメが甘い。その場で気絶するが真夜に救われる。 真夜の接近が音也に影響を与える事を女の直感で判断したゆりは真夜から音也を引き離す。音也に何を言われても。 目覚めた名護に以前から関心を持っていた「人間は何故恋をするのか?」を問いかける。名護自身、自分でも初めて抱く不思議な感情につい真夜をきつい言葉で「自分は恋などしない」と突き放すが、あっさり真夜に突き放されてしまう。自分でも分からないまま普段は心から言った事のない敬語で真夜を呼び止め大切にしていたボタンをお守り代わりに渡す。「やっぱり人間は面白い」と感想を言うがクイーンとしての仕事を促しているシケーダファンガイアが現れ真夜がファンガイアである事が分かってしまう。ファンガイアである事が分かってしまった瞬間、名護の初恋は終わりを告げた。 音也が倒すファンガイアは棚橋を間違えて怪我をさせたのではない事が判明した事で音也の攻撃を妨害し歴史を変えた名護は未来に帰る。歴史は確かに変ったのだが・・・・。 現代名護ががんばってどうにかなるか分からないと判断した嶋は、健吾と渡を『青空の会』の臨時の会員にして協力してもらう事に。それぞれにファンガイアバスターを支給。武器の練習をしている健吾は意外なセンスを発揮する。標的に百発百中。ムチも器用に使いこなす。逆に渡はバイオリン製作は天才だが武器を扱うセンスはまるで駄目。 現代に戻った名護は変ってしまった歴史の後始末をするため逃がしたファンガイアをライジングイクサで倒す。前回の失敗を過去で音也と真夜から学んだ助言を生かし強力になった力の反動を使い反転キックを編み出した。クソ真面目な名護にちょっとした変化がうまれる。 渡がサイフから落としたボタンを見つけた名護は過去で真夜にお守り代わりで渡したボタンであると気づく。渡に尋ねるが「縁起のいいボタンで母からお守りとしてもらった」と言われ驚愕する。 【登場人物・ゲスト出演者】 登場ライダー 第28話 キバフォーム (キバの基本形態 封印されたキバの鎧)((23話までは?でお願いします。)) 高岩成二 (スーツアクター) エンペラーフォーム (キバの本来の・・・。) 仮面ライダーイクサ(プロトイクサ) (「素晴らしき青空の会で完成させたライダーシステム プロトタイプ) 岡元次郎 (スーツアクター) 仮面ライダーイクサ(Ver.Ⅹ) (「素晴らしき青空の会」で完成させたライダーシステム バージョンアップをした熟成型) 仮面ライダーライジングイクサ(Ver.XI) (最新版のシステムである『IXA-OS-11.0 ”RISING”』を組み込んだ、イクサの完成版) 登場モンスター 第28話 シケーダファンガイア (ファンガイア族、インセクトクラス) 永徳(スーツアクター) クラブファンガイア (ファンガイア族、アクアクラス) 今井靖彦(スーツアクター) レギュラー登場人物 第28話 現代編 紅渡 (仮面ライダーキバに変身するこの物語の主人公) 瀬戸康史 名護啓介 (バウンティハンター、仮面ライダーイクサ、Ver.Ⅹの装着者) 加藤慶祐 麻生恵 (ファンガイアハンター) 柳沢なな 襟立健吾 (イケメンズでメジャーデビューをめざす浪速のロックンローラー) 熊井幸平 キバットバットⅢ世 (キバット族・キバットバット家の三代目) 杉田智和 (声) 魔皇竜タツロット (ドラン族・キバをファイナルウエイクアップ(究極覚醒)させる禁断のキー) 石田彰 (声) 過去編、現代編の両方に登場 嶋護 (ファンガイアハンターを組織化した。音也と渡、2つの時代を知る男)過去編、現代編 金山一彦 過去編 紅音也 (主人公の22年前の父親、ゆりを愛する愛の救世主) 武田航平 麻生ゆり (22年前の恵の母親) 高橋優 次狼 (ガルル人間体) 松田賢二 ラモン (バッシャー人間体) 小越勇輝 力 (ドッガ人間体) 滝川英治 チェックメイトフォー 第28話 クイーン(真夜) (ファンガイア族最強の四人チェックメイトフォーの一人。)過去編 加賀美早紀 ビショップ (ファンガイア族最強の四人チェックメイトフォーの一人。)過去編 村田充 ゲスト出演者 第28話 棚橋 過去編 現代編 第27話、第28話 小川敦史 (シケーダファンガイアの声)第27話、第28話 三戸崇史 (クラブファンガイア)第27話、第28話 増田隆之 【こぼれ話】 【今週の懐メロ】 【関連するページ】 2008-08-17 DVD予定 Individual-System~Fight for justice~ 名護啓介 さよなら、俺の初恋 はじめて獲たボタン アクアクラス インセクトクラス ガルルフィーバー キバの謎 クラブファンガイア シケーダファンガイア ネタバレと噂 ビショップ ファイナルライジングブラスト ファンガイア モンスター 三戸崇史 今井靖彦 仮面ライダーキバ DVD VOL.7 増田隆之 声優 太牙 小川敦史 平成仮面ライダーシリーズ 棚橋 永徳 登場人物・出演俳優 第27話 第29話 第3クール 第4クール 長石多可男
https://w.atwiki.jp/kiba001/pages/179.html
仮面ライダー電王&キバ クライマックス刑事 公開初日 【関連するページ】 劇場版
https://w.atwiki.jp/seiyudb/pages/134.html
2017年7月11日 新第1章:旅立ち!ジミナ村! テレビ東京:25時35分〜 ニケ:石上静香/ククリ:小原好美/おやじ:小西克幸/オババ:鈴木れい子/バド:相馬康一/レナ:恒松あゆみ/コーダイ国王:斧アツシ ゲイル:野上翔/エナ:長久友紀/カセギ:奈良徹/さっぱり妖精:大地葉/メケメケ:久保ユリカ/門番:深川和征/兵士A:林大地 兵士B:柳田淳一/神官:手塚ヒロミチ/女商人:野村真悠華/武器屋:徳本英一郎 2017年7月18日 第2章:踊れ!キタの町! テレビ東京:25時35分〜 ニケ:石上静香/ククリ:小原好美/キタキタおやじ:小西克幸/トマ:藤井ゆきよ/ザザ:藤原夏海/ミグ:本渡楓 キタの町の町長:間宮康弘/トマの祖父:武虎/グリエル:久保ユリカ/カセギ:奈良徹/カセギゴールド:稲田徹/ライライ:山本格 タテジワネズミA〜F:小野友樹 2017年7月25日 第3章:対決!ノコギリ山! テレビ東京:25時35分〜 ニケ:石上静香/ククリ:小原好美/キタキタおやじ:小西克幸/トマ:藤井ゆきよ/ルンルン:大西沙織/オババ:鈴木れい子 カヤ:飛田展男/ザザ:藤原夏海/ミグ:本渡楓/イルク:加隈亜衣/キタの町の町長:間宮康弘/トマの祖父:武虎/カセギ:奈良徹 カセギゴールド:稲田徹/ライライ:山本格/タテジワネズミ:小野友樹/グリエル:久保ユリカ/妖精A:和多田美咲/妖精B:和氣あず未 さっぱり妖精:大地葉/コーダイ国王:斧アツシ/見物客:市橋尚史/ロープ男:木島隆一/警備兵:濱野大輝 2017年8月1日 第4章:おでかけ!修行ハウス! テレビ東京:25時35分〜 ニケ:石上静香/ククリ:小原好美/ジュジュ:大地葉/ギップル:櫻井孝宏/ルンルン:大西沙織/総裁:石田彰/ゴチンコ:小山力也 ラジニ:麻生智久/サイコ妖精:最上嗣生/ゴージャ:林大地/くま門:竹本英史/バジャーニ:金光宣明/エクール:高橋未奈美 受付:櫻庭有紗/村人A:西谷修一/村人B:野川雅史/村人C:江越彬紀/村人D:佐々健太/男の子:泊明日菜/魔王歌唱:猪股慧士 魔王歌唱:大塚剛央/魔王歌唱:井之上潤/魔王歌唱:大西弘祐/魔王歌唱:兼政郁人/魔王歌唱:佐伯匠/魔王歌唱:佐原誠 魔王歌唱:上別府仁資/魔王歌唱:山口崇浩/魔王歌唱:綿貫竜之介 2017年8月8日 第5章:救え!シュギ村! テレビ東京:25時35分〜 ニケ:石上静香/ククリ:小原好美/ジュジュ:大地葉/ギップル:櫻井孝宏/キタキタおやじ:小西克幸/魔法オババ:鈴木れい子 ゴチンコ:小山力也/ラジニ:麻生智久/タテジワネズミ:小野友樹/クロコ:小野賢章/ギザイア:青山穣/バジャーニ:金光宣明 門番:福島潤/チュール:洲崎綾/トラトラ:益山武明/ギザ:杉崎亮/ククリの父:野瀬育二/ククリの母:木村珠莉 プラトー教徒A:浜添伸也/プラトー教徒B:菊地達弘/プラトー教徒C:千葉俊哉 2017年8月15日 第6章:ライバル登場!アッチ村! テレビ東京:25時35分〜 ニケ:石上静香/ククリ:小原好美/ギップル:櫻井孝宏/レイド:岡本信彦/カヤ:飛田展男/モンク:てらそままさき タテジワネズミ:小野友樹/ケベスベス:井澤詩織/さっぱり妖精:大地葉/ドキド:津田英三/石版:梅津秀行 ハニワ具象気体:手塚ヒロミチ/司会:前田弘喜/村人A:小林操/村人B:所河ひとみ/村人C:有川知江/道具屋:西谷修一 2017年8月22日 第7章:発見!妖精の村! テレビ東京:25時35分〜 ニケ:石上静香/ククリ:小原好美/ギップル:櫻井孝宏/キタキタおやじ:小西克幸/総裁:石田彰/ルンルン:大西沙織 さっぱり妖精:大地葉/ミグ:本渡楓/ドキド:津田英三/ワンチン:堀内賢雄/グリエル:久保ユリカ/フェイフェイ:田中完 チュリカ:金元寿子/イベル:石見舞菜香/ルリンダ:村瀬迪与/チクリ魔:和多田美咲/サーチアイ:柳田淳一/ヤンバン:内匠靖明 妖精A:久保田梨沙/妖精B:清水彩香 2017年8月29日 第8章:再会!ネコジタ谷! テレビ東京:25時35分〜 ニケ:石上静香/ククリ:小原好美/ギップル:櫻井孝宏/キタキタおやじ:小西克幸/トマ:藤井ゆきよ/ゴチンコ:小山力也 レイド:岡本信彦/カヤ:飛田展男/モンク:てらそままさき/ドサクサ妖精:大地葉/グリエル:久保ユリカ/ドキド:津田英三 ガタリ:中村大樹/バルト:岩澤俊樹/戦士:井之上潤/魔法使い:野坂尚也 2017年9月5日 第9章:神秘!ミグミグ族の遺跡! テレビ東京:25時35分〜 ニケ:石上静香/ククリ:小原好美/キタキタおやじ:小西克幸/トマ:藤井ゆきよ/ギップル:櫻井孝宏/ジュジュ:大地葉 レイド:岡本信彦/ワンチン:堀内賢雄/イルク:加隈亜衣/モゲル:日岡なつみ/ククリの母:木村珠莉/ガタリ:中村大樹 ケムケム:岩澤俊樹/神官:益山武明/神官:千葉俊哉/人形:泊明日菜 2017年9月12日 第10章:攻略!きりなしの塔! テレビ東京:25時35分〜 ニケ:石上静香/ククリ:小原好美/キタキタおやじ:小西克幸/トマ:藤井ゆきよ/ギップル:櫻井孝宏/ジュジュ:大地葉 ルンルン:大西沙織/総裁:石田彰/ゴチンコ:小山力也/レイド:岡本信彦/カヤ:飛田展男/アダムスキー:川津泰彦/ガタリ:中村大樹 モゲル:日岡なつみ/ドキド:津田英三/サタナチア:乃村健次/チクリ魔:和多田美咲/ザイマン:野瀬育二/コーダイ国王:斧アツシ バジャーニ:金光宣明/使者:伊達忠智/司祭:水越健/盗賊:佐原誠 2017年9月19日 第11章:弟子入り!コパの森! テレビ東京:25時35分〜 ニケ:石上静香/ククリ:小原好美/ジュジュ:大地葉/トマ:藤井ゆきよ/ルンルン:大西沙織/総裁:石田彰/アダムスキー:川津泰彦 スライ:浜田賢二/ミルカ姫:田村ゆかり/レイド:岡本信彦/モンク:てらそままさき/大臣:家中宏/ボス:乃村健次/レピア:春野杏 ピピック:久保田梨沙/ペペック:小澤亜李/盗賊A:村上裕哉/盗賊B:佐原誠/盗賊C:徳本英一郎 2017年9月26日 第12章:戦え!コパール城! テレビ東京:25時35分〜 ニケ:石上静香/ククリ:小原好美/ジュジュ:大地葉/トマ:藤井ゆきよ/ルンルン:大西沙織/総裁:石田彰/アダムスキー:川津泰彦 スライ:浜田賢二/ミルカ姫:田村ゆかり/レピア:春野杏/モンク:てらそままさき/大臣:家中宏/ブーン:江越彬紀 火の王:斉藤次郎/ピピック:久保田梨沙/ペペック:小澤亜李/盗賊A:佐原誠/盗賊B:村上裕哉/盗賊C:徳本英一郎 2017年10月3日 第13章:伝説!イエタ村! テレビ東京:25時35分〜 ニケ:石上静香/ククリ:小原好美/キタキタおやじ:小西克幸/ギップル:櫻井孝宏/トマ:藤井ゆきよ/レイド:岡本信彦 ドサクサ妖精:大地葉/ナナコナ:釘宮理恵/ばあさん:八百屋杏/村長:西谷修一/ヌシタ:木島隆一/水晶ババア:伊沢磨紀 トカゲの一郎:前田弘喜/ヨグ:手塚ヒロミチ/ニャポーン:浜添伸也/巨乳外国人:中里望 2017年10月10日 第14章:摩訶不思議!アラハビカ! テレビ東京:25時35分〜 ニケ:石上静香/ククリ:小原好美/キタキタおやじ:小西克幸/トマ:藤井ゆきよ/アダムスキー:川津泰彦/レイド:岡本信彦 カヤ:飛田展男/チクリ魔:和多田美咲/ドサクサ妖精:大地葉/石版:梅津秀行/スエラちゃん(?):佐藤聡美/デリダ:川田紳司 ニャポーン:浜添伸也/グエチャンA:野川雅史/グエチャンB:木内太郎/店主:林大地/客A:坂泰斗/客B:伊達忠智 2017年10月17日 第15章:恋せよ!魔境! テレビ東京:25時35分〜 ニケ:石上静香/ククリ:小原好美/キタキタおやじ:小西克幸/ジュジュ:大地葉/トマ:藤井ゆきよ/アダムスキー:川津泰彦 ルンルン:大西沙織/総裁:石田彰/デリダ:川田紳司/運命の女神:佐藤聡美/カヤ:飛田展男/レイド:岡本信彦/チクリ魔:和多田美咲 クロコ:小野賢章/ケベスベス:井澤詩織 2017年10月24日 第16章:守れ!パンフォスの遺跡! テレビ東京:25時35分〜 ニケ:石上静香/ククリ:小原好美/キタキタおやじ:小西克幸/ギップル:櫻井孝宏/ジュジュ:大地葉/トマ:藤井ゆきよ アダムスキー:川津泰彦/魔王ギリ:銀河万丈/カヤ:飛田展男/レイド:岡本信彦/チクリ魔:和多田美咲/魔法オババ:鈴木れい子 デリダ:川田紳司/ナナコナ:釘宮理恵/ピピック:久保田梨沙/ペペック:小澤亜李/巨乳外国人:中里望 2017年10月31日 第17章:鳴らせ!エルエル村! テレビ東京:25時35分〜 ニケ:石上静香/ククリ:小原好美/キタキタおやじ:小西克幸/ギップル:櫻井孝宏/カヤ:飛田展男/レイド:岡本信彦 地の王オッポレ:土師孝也/クルジェ:本多真梨子/ラカン:島田敏/クレメンテ:津田健次郎/シュナーベル:天﨑滉平 村人A:中村和正/村人B:佐々木義人/村人C:江越彬紀 2017年11月7日 第18章:咲け!花の国! テレビ東京:25時35分〜 ニケ:石上静香/ククリ:小原好美/キタキタおやじ:小西克幸/ギップル:櫻井孝宏/プラナノ:浅野真澄/モゲル:日岡なつみ クルジェ:本多真梨子/カヤ:飛田展男/レイド:岡本信彦/タテジワネズミ:小野友樹/ピカビア:新井里美/タルトン:拝真之介 メルシィ:津田美波/花の精霊A:阿澄佳奈/花の精霊B:中原麻衣 2017年11月14日 第19章:歌え!バトーハの塔! テレビ東京:25時35分〜 ニケ:石上静香/ククリ:小原好美/キタキタおやじ:小西克幸/ギップル:櫻井孝宏/さっぱり妖精:大地葉/プラナノ:浅野真澄 花の精霊A:阿澄佳奈/花の精霊B:中原麻衣/ワンチン:堀内賢雄/地の王オッポレ:土師孝也/ヌマーク:村上裕哉/レイド:岡本信彦 カヤ:飛田展男/ヴィヴィアン:逢坂良太/タテジワネズミ:小野友樹/ピカビア:新井里美/モンスター:拝真之介 2017年11月21日 第20章:抜け出せ!レフ島! テレビ東京:25時35分〜 ニケ:石上静香/ククリ、ミウチャ:小原好美/キタキタおやじ:小西克幸/ギップル:櫻井孝宏/トリコ:大原さやか/ガルリロ:石谷春貴 デマ:岩田光央/ミウチャ父:木内太郎/ミウチャ母:桜木可奈子/時の女神A:松田利冴/時の女神B:松田颯水 2017年11月28日 第21章:復活!魔王ギリ! テレビ東京:25時35分〜 ニケ:石上静香/ククリ:小原好美/キタキタおやじ:小西克幸/ギップル:櫻井孝宏/ジュジュ:大地葉/トマ:藤井ゆきよ アダムスキー:川津泰彦/ヒガジ:子安武人/ミナジ:三宅健太/キタジ:竹内良太/ニシジ:江越彬紀/泉の主:佐々木義人 カヤ:飛田展男/レイド:岡本信彦/ドンカマー:山本祥太/タテジワネズミ:小野友樹/クロコ:小野賢章/ヴィヴィアン:逢坂良太 モンスターA:菊地達弘/モンスターB:濱岡敬祐 2017年12月5日 第22章:潜入!ジタリの遺跡! テレビ東京:25時35分〜 ニケ:石上静香/ククリ:小原好美/キタキタおやじ:小西克幸/ギップル:櫻井孝宏/ジュジュ:大地葉/トマ:藤井ゆきよ アダムスキー:川津泰彦/ヒガジ:子安武人/リリック:中川翔子/火の王:斉藤次郎/地の王:土師孝也/水の王:佐々木義人 風の王:前田弘喜/デマ:岩田光央/ドンカマー:山本祥太/タテジワネズミ:小野友樹/バド:相馬康一/レナ:恒松あゆみ 2017年12月12日 第23章:決戦!ギリの城! テレビ東京:25時35分〜 ニケ:石上静香/ククリ:小原好美/キタキタおやじ:小西克幸/ギップル:櫻井孝宏/ジュジュ:大地葉/トマ:藤井ゆきよ ルンルン:大西沙織/地の王:土師孝也/クルジェ:本多真梨子/魔王ギリ:銀河万丈/カヤ:飛田展男/レイド:岡本信彦 チクリ魔:和多田美咲/ガルリロ:石谷春貴 2017年12月19日 最終章:発動!恋するハート!終 テレビ東京:25時35分〜 ニケ:石上静香/ククリ:小原好美/キタキタおやじ:小西克幸/ギップル:櫻井孝宏/ジュジュ:大地葉/トマ:藤井ゆきよ ルンルン:大西沙織/総裁:石田彰/ゴチンコ:小山力也/スライ:浜田賢二/プラナノ:浅野真澄/クルジェ:本多真梨子 リリック:中川翔子/魔王ギリ:銀河万丈/タテジワネズミ:小野友樹/カセギ:奈良徹/ガルリロ:石谷春貴/ワンチン:堀内賢雄 ヒガジ:子安武人/火の王:斉藤次郎/地の王:土師孝也/水の王:佐々木義人/風の王:前田弘喜/魔法オババ:鈴木れい子 バド:相馬康一/レナ:恒松あゆみ/ククリの父:野瀬育二/ククリの母:木村珠莉
https://w.atwiki.jp/compels/pages/134.html
バトルロワイアルの会場に配置された小学校の教室のうちの一つの中に、参加者として選ばれた少女達が立て籠もっていた。 教室の扉には机と椅子で簡易的なバリケードを作り、侵入者を防いでいる。 「とりあえずはこれで凌げそうだけれど……」 教室の窓の外を見渡しながら、源静香――友人からはしずかちゃんと呼ばれている少女が呟く。 「まるちゃんみたいな私達が知ってる人も、巻き込まれてるのかな……」 怯えを隠せない様子で、穂波たまえ――親友からはたまちゃんと呼ばれている少女が言う。背は静香よりも低く、学年にして2年ほど年下といえる。 「乃亜って人に集められたとき、たまえちゃんが知ってる人はいたの?」 「分かりません……。あんなのを見せられて、何も考えられなかったんです……」 俯きながら、たまえは静香の問いに首を振る。 「そうよね……あんなことが起こるなんて……」 静香もここに飛ばされる前の、海馬乃亜が行った残虐な行いや死者蘇生といったあまりにも現実離れした光景が脳裏に蘇り、息を詰まらせる。 静香もまた、自分の知人がいたかどうかはよく覚えていない。様々な冒険を共にしたドラえもんやのび太、ジャイアンやスネ夫がいてくれれば頼もしいのだが。 「しずかさんもたまえさんも、心配な人がいるなら今すぐ探しに行くべきよ!ここでじっとしているわけにもいかないでしょ?」 そう言って声を上げるのは、桜田ネネだ。身長はたまえよりもさらに低く、年齢も5歳と見ての通り幼稚園児だ。 それを聞いて、静香とたまえは困ったように顔を見合わせる。 「でもね、ネネちゃん」 「あまり動き過ぎるのは危険よ。今の私達が襲われたら、誰も助からないわ。私やたまえちゃん、ネネちゃんだけじゃない、もっと小さい子もいるのよ?」 そう言って、静香はネネの隣へと視線を移す。そこには、花柄のワンピースを着た幼い女の子がいた。ネネよりもさらにさらに背は小さく、齢にして3歳程度だろうか。あまり殺し合いに参加させられたことによる動揺はなく、いまいち状況を把握していないようだった。 「……わたしのこと?しずかもたまえもネネも、みんなおっきいよ?」 静香、たまえ、ネネから視線を移されて、女の子はきょとんとしながら小首を傾げる。 3歳でありながら、基本的な会話は可能なようだった。 静香、たまえ、ネネ、そして女の子は、運よくこの小学校で出会うことができた。全員が互いにゲームに乗っていないことを確認すると、静香の発案でとにかく身を隠せる場所として教室に立て籠もることにしたのだ。 この中でも、静香は明らかに最年長だったため、ある種の責任感を持っていた。 「それでも、こんなところに籠ったまま何もせず動かないなんて、何一つ良くならないわ!そりゃアタシだって怖いわよ!怖いけど……襲ってくる人だけじゃなくって、友達や協力してくれる人とも会えるかもしれないでしょ!?ウジウジして何もしない人、アタシキライっ!」 「ネネ、おこらないで」 ネネはそう言って、ぷいっとそっぽを向いた。そんなネネを見上げながら、女の子は心配そうに寄り添っていた。 「それよりネネ、リアルおままごとっていうのおしえて?どんなことするの?」 「今はやらないっ!あれは男がいないとできないの!どこかの誰かさんが閉じこもったままで友達も探しに行こうともしないから、何も始まらないわ!」 「ともだち……」 ネネは自分より年上の小学生二人を横目で見ながら鼻を鳴らす。 女の子はネネの服を掴みながら、両者を見比べていた。 静香とたまえは、もう一度顔を見合わせる。 そして微笑みながら、ネネの頭に手を置いた。 「ありがとう、ネネちゃん」 「ちょっとだけ勇気が出たよ」 それを聞いて、ネネは少し驚いてから顔を背けたまま気恥ずかしそうにする。 ネネはかすかべ防衛隊の紅一点としてしんのすけ達と共に巨悪に何度も立ち向かっただけあって年齢にそぐわぬ行動力を持っており、それが静香とたまえを引っ張る形となった。 「よかったぁ、なかなおりできたね!」 雰囲気が明るくなっていくと同時に、女の子の顔にも笑みがこぼれた。 「それじゃあ、ちょっと危険かもしれないけど、もう少ししたらこの学校を出て他の参加者を探しに行きましょう。離れ離れにならないように、みんな手を繋ぐこと」 静香の言葉に反論する者はおらず、4人の今後の方針が定まった。 4人とも出会って間もないが、仲は良好だった。 「その前に、みんなランドセルを持ってきて。参加者と道具を確認しましょう」 たまこは「はい!」と、女の子は「は~い!」と手を上げ、ネネは照れくささを残したままの様子で各々のランドセルを持ち寄る。 できればこの中にドラちゃんのひみつ道具があればいいんだけど……と静香は考えていた。 § これは、殺し合いだ。 殺らなければ、殺られる。 殺せ。 殺せ。 殺せ。 殺せ。 殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。 殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。 殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ § 少し時間が経った後の教室。 少女達の和やかな雰囲気で満たされていたそこは、殺し合いの場に発展した。 床、壁、天井に付着する、血、血、血。 その中に倒れているのは、源静香、穂波たまえ、桜田ネネ。 先ほどまで笑い合い、手を取り合っていた少女達は、皆命を落としていた。 しかも、ただ殺されたのではない。互いに互いの命を奪い合ったのだ。 その死に顔は、少女の可愛らしいそれではない、目の前のモノに対して憎悪と殺意を向けた醜く歪んだ顔のままだった。 源静香も穂波たまえも、率先して人を殺そうとするなど考えられない心優しい性格である。桜田ネネも問題行動が時々見られるとはいえ、根は優しいし、そもそも幼稚園児だ。人を殺せるほど身体が発達していない。 どうしてこんなことになったのだろう、と将来この凄惨な現場を見る者は思うのかもしれない。 その元凶となる者が、ガラガラガラと教室の扉を開け、机のバリケードの下から這い出てきた。 それは、あの幼い女の子だった。 「しずかも、たまえも、ネネも死んじゃった。あーあ」 先ほどの惨劇を経験したにも関わらず、まるでちょっとしたお菓子を落とした程度の軽く惜しむ声を呟きながら、廊下を歩く。 その頬には、あの三人の誰かからつけられた軽い切り傷があった。 女の子は軽く周囲を見回してから、あることにようやく気づく。 「ここ、『ざいだん』じゃない?」 女の子の呟いた『ざいだん』とは、発音そのままに財団である。 その財団とは、SCP財団。科学では解明できない異常なモノを確保・収容・保護する団体。 そして女の子は、そのSCP財団に保護されていたSCP-053の番号がつけられた収容対象である。彼女を詳細に記録するページでつけられた名は『幼女』であった。 ”幼女”の持つ特異性とは、すなわち殺人衝動の誘発。彼女と接触しただけで、どんなに心優しい人物でも激しい被害妄想を引き起こし、やがて近くの人物を殺した後に”幼女”本人を殺そうとするという、この殺し合いにおいてはもはや爆弾とも言えるものだった。 しかし”幼女”を殺そうとしても、殺意を向けた者は心臓麻痺で死亡するために最後に残るのは”幼女”だけになる。たとえ傷つけられても驚異的な回復力を持っており、どんな傷もたちまち癒えていく。 静香、たまえ、ネネは、この”幼女”の特異性によって殺し合い、そして命を落としたのだった。 しかし、そんな惨劇を”幼女”は気にも留めていなかった。なぜなら、”幼女”にとってこれが普通だったから。彼女に近づいた大きな人は、みんな凶暴になって殺し合い、やがて彼女にまで殺意を向けるのだから。 「わぁ……!」 小学校の門から出て、”幼女”は感嘆の声を上げる。財団で保護されていた時とは違う、見たことのない、刺激的な景色。それは彼女の好奇心を刺激するには十分だった。 「ともだち……ここならともだち、できるかな?」 海馬乃亜に集められ、自分より年上とはいえ大人とはいえない年の者達がたくさんいた光景を思い出す。 一緒に遊んでくれる、ともだち。それは”幼女”が最も欲しているものだった。 財団では玩具もあったし、本もあったし、ゲームもあった。食べ物も常に財団の人達が運んでくれた。 しかし財団の人達は常に大きな『ぼうごすーつ』という鎧を着て、すぐに”幼女”から離れてしまう。財団から与えられたもので遊ぼうにも、”幼女”は一人で遊ぶしかない。 少しでも長く”幼女”と一緒にいた人達は、先ほどの三人のように皆狂い、そして死んでいく。 ”幼女”はいつも一人ぼっちだ。 ”幼女”からして友達といえる者は、自分と一緒にいても狂わず死なない、大きなトカゲさんくらいだった。 「新しいともだち、探しに行こうっと」 そう言って、”幼女”は殺し合いの場に解き放たれる。 これから多くの死を振り撒く可能性も知らずに。 「……リアルおままごと、やりたかったなあ」 『幼女』は空を見上げながら、ネネから教えられた遊びを知ることができないことを惜しんでいた。 ――ともだちひゃくにんできるかな。 【源静香@ドラえもん】 死亡 【穂波たまえ@ちびまる子ちゃん】 死亡 【桜田ネネ@クレヨンしんちゃん】 死亡 【SCP-053“幼女”@SCP-Foundation】 [状態]:頬に切り傷(回復中) [装備]:なし [道具]:基本支給品、ランダム支給品1~3 [思考・状況]基本方針:ともだちをつくる 1:ともだちになってくれそうなひとにあいにいく 2:リアルおままごと、やりたかったなあ…… [備考] 小学校の教室には、源静香、穂波たまえ、桜田ネネの遺体およびランドセル、凶器に使われた不明支給品に加え、数多くの血痕が残されています。 源静香、穂波たまえ、桜田ネネのうち、一人だけ死因は心臓麻痺です。誰が心臓麻痺で死亡したかは後続の書き手にお任せします。 【補足】 クリエイティブ・コモンズ 表示-継承 3.0に従い、 SCP FoundationにおいてDr Gears氏が創作されたSCP-053を二次使用させて頂きました。
https://w.atwiki.jp/otama-recipe/pages/46.html
無添加な武闘派 鍋の中身 オーガニック アイマスク事件 72時間TV問題 ●『Messy』 2015年2月14日● 「無添加な武闘派・工藤静香の「絶対負けねえ!」という気迫」 http //mess-y.com/archives/17097 ~~ ページトップにもどる ●『Messy』 2015年2月9日● 「プレミア映像? 工藤静香と木村拓哉夫妻の自宅が一部公開、鍋の中身は…」 http //mess-y.com/archives/17097 ※参考 名言 「こにゃにゃちわ」 ~~ ページトップにもどる ●『Rakuten Infoseek News』 2014年2月14日● 「暴走族の女神からオーガニック母へ。工藤静香のしつこい変貌アピールと木村家離散報道」 http //mess-y.com/archives/17097 ※参考 絵画・自作 手作り ニュース-2 ジュエリー店訴訟 ~~ ページトップにもどる ●『ネタりか』2017年10月5日 「工藤静香、インスタに嵐・櫻井の「アイマスク」投稿で「後輩オタに媚びてる」の指摘」 https //netallica.yahoo.co.jp/news/20171005-58711177-cyzowoman ~~ ページトップにもどる ●『exiteニュース』2017年11月11日 「工藤静香が元SMAPの3人をディス?「イラっとする」謎の投稿に波紋広がる」 https //www.excite.co.jp/News/entertainment_g/20171111/DailyNews_1374586.html ~~ ページトップにもどる
https://w.atwiki.jp/imasss/pages/2830.html
【ミリマス】偶然の出会い、懐かしい調べ、それとレトロなゲームハード 執筆開始日時 2018/03/27 元スレURL https //ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1522082802/ 概要 春の訪れを感じさせる日差しの中、広場を吹き抜ける風は最上静香の髪を無邪気にさらって流して行く。 右を向いても左を向いても賑々しい人々の声が満たす空間。 今、静香の手には我らが765劇場の長とも言うべき人物より授けられたお金の入ったがま口が。 「それで今日は、どういった物を探せばいいのかしら?」 そうして、現在財布の紐を握っている静香に問いかけたのは桜守歌織その人である。 彼女はこの場所に来るのが初めてだ。「ドコだ?」と問われれば答えよう。 いわゆるここは蚤の市、人々が思い思いに商品を持ち寄り販売している自由市場(フリーマーケット)の会場だ。 タグ ^桜守歌織 ^望月杏奈 ^最上静香 まとめサイト アイマスSSまとめサイト 456P あやめ2nd えすえすゲー速報 エレファント速報 おかしくねーしSSまとめ プロデューサーさんっ!SSですよ、SS! ポチッとSS!! SSまとめ ホライゾン SSでレッツゴー SSびより SSまとめプラス SSマンション SS 森きのこ! SS2chLog YomiCom wiki内他頁検索用 ほのぼの シアターデイズ ミリオンライブ 作者◆Xz5sQ/W/66氏 最上静香 望月杏奈 桜守歌織 誕生日
https://w.atwiki.jp/ktzw4/pages/20.html
概要 イベント:プラチナスターシアター ~Shooting Stars~ 開催期間:2017年 8月12日~8月21日 上位報酬:クレシェンドブルー 北沢志保 衣装:クレシェンドグリッター ◆トップへ戻る◆ トップ ◆トップへ戻る◆ カード クレシェンドブルー 北沢志保 クレシェンドブルー 北沢志保+ そう、今日はそんなにいろいろ覚えたの……ふふっ、えらかったわね。私? 私は……そうだね、お姉ちゃんも、大事なことを教えてもらったよ。みんなに、感謝しなきゃね……。 今、5人でステージに立てること……私がこのユニットに選ばれたのと同じ、奇跡みたいだなって思います。私にできることは、まだ少ないですけど。最高のステージを届けてみせます! スキル かけがえのないもの 覚醒ゲージ ここで立ち止まる気はありません。 どんな時もいつも通りにやるだけです、 これからも気を抜かずに頑張ります。 覚醒ゲージMAX プロデューサーさんって、どこか抜けてますけど。でも、やるときはやるんですね。 私がひとりでできることには、限界がるから……今は、プロデューサーさんの力が必要です。 だから……少しでいいので、手を貸してください。どうか、よろしくお願いします。 覚醒後 いろいろあった? 別に、私は気にしていないわ。さぁ、最高のステージにしましょう! クレシェンドブルー 野々原茜 クレシェンドブルー 野々原茜+ 親睦会、どんなカンジにしようかな~?麗花ちゃんと一緒に、盛り上げないとね♪何しろ、世界中のみんなを笑顔にするのが茜ちゃんの役目! スーパーアイドル野々原茜ちゃんに、不可能は無いのだ~!! 茜ちゃん、クレシェンドブルーのみんなとのユニット、す~~っごく楽しいんだ!この5人なら、どんなミラクルだって起こせちゃうもんね♪ みんなー!茜ちゃん達と一緒に、盛り上がろー! スキル 気くばりムードメーカー 覚醒ptMAX フッ、とうとう茜ちゃんに進化の時が来たね!主にプロちゃんの努力で! ゲームに例えると、今の茜ちゃんはSR!まあ、実際はアイドルとして一皮剥けただけだけど。 でもプロちゃんのおかげってのは、ホントだからね? お手柄だね! 覚醒後 OKOK! プロちゃん、任せて!茜ちゃんの指示どおりにすれば、全て上手くいくッ! ◆トップへ戻る◆ 衣装 衣装 [クレシェンドグリッター]北沢志保 5人の熱い想いをキラキラ輝く星で表現しました。美しいグラデーションは切磋琢磨しながら成長した彼女たちそのもの。 ◆トップへ戻る◆ コミュ ・プロローグ +... 劇場 青羽美咲 プロデューサーさん、まだかな……。 社長さんからの大事な伝言、私からしっかりお伝えしなきゃっ。 でも、お話ってなんだろう。やっぱり劇場のことかなぁ……? 私にも、何かお手伝いできること、あるといいな……。 プロローグ 青羽美咲 あっ、プロデューサーさん!よかった、待ってたんですよ♪ P 青羽さん。何かあったんですか? 青羽美咲 はい! 社長さんが、プロデューサーさんにお話したいことがあるから、事務所に来て欲しいって。 P 社長が……?わかりました、今から行ってきます! 青羽美咲 よろしくお願いしますね!いってらっしゃーい♪ そして…… P 失礼します。社長、お話というのは……。 音無小鳥 お久しぶりです、プロデューサーさん! P あっ。あなたは……! 音無小鳥 はい、765プロ事務所の、影のマスコット!勤続●●年の名事務員、音無小鳥です♪ P 音無さん、お久しぶりですね!俺は最近、すっかり劇場詰めだから……。 音無小鳥 私は、こちらの事務所通いですからね。すれ違っちゃってましたけど。 でも、お元気そうで何よりです!すごい活躍だって、美咲ちゃんからも聞いてますよ♪ P とんでもない。劇場は、まだまだこれからです。ところで、社長は……? 社長 私はここにいるよ! いやぁ、よく来てくれたね。急に呼び出したりして、すまなかった。 まぁ、楽にして聞いてくれたまえ。今日、君を呼んだのは他でもない。 劇場の運営も、軌道に乗って来た頃合いだろう?そこでだ……。 ここでひとつ、新たなアイドルユニットを結成したいと考えているのだよ! P 新しいアイドルユニット……ですか? 社長 うむ。まず第一弾として、最上静香君、北沢志保君、箱崎星梨花君、そして野々原茜君、北上麗花君……。 この5人からなら新たなアイドルユニット。その名も『クレシェンドブルー」だ! P クレシェンドブルー……! 音無小鳥 今朝、青い空を見上げていてひらめいたそうです。ステキな名前ですよね♪ 社長 ふふふふ、そうだろう?やはり、早起きは三文の得だよ、君! P な、なるほど。参考にします! 音無小鳥 社長は、このクレシェンドブルーを目玉にした公演を考えてるそうですよ! 社長 もちろん彼女達のプロデュースも、君に任せるつもりなんだが……どうだろう。引き受けてくれるかね? P もちろんです! クレシェンドブルーの公演、必ず成功させてみせます! 社長 うむ、いい返事だ!それじゃあ、よろしく頼んだよ! 音無小鳥 頑張ってくださいね、プロデューサーさん!私も、事務所で頑張ります♪ P (クレシェンドブルーか……。選ばれたメンバーも、ずいぶん個性的だな) (これは、プロデュースのしがいがありそうだ!) ・第1話「動き出す少女たち」 +... 第1話 P (早速、メンバーを集めてミーティングを開こうと思ったんだが……まだ志保しか来てないな) 志保 プロデューサーさん。それで、話ってなんですか? P 実は今度、新しくユニットを組むことになってな。志保も、そのメンバーに選ばれたんだ。 志保 ユニット? 私が、メンバーに……ですか? P ああ。次のイベント公演では、そのユニットが目玉になる予定だ。頑張ってほしい。 志保 っ……はいっ! P 残りのメンバーは静香、星梨花、茜、麗花。ユニット名はクレシェンドブルーだ。 志保 静香に、星梨花、茜さんと、麗花さん……?なんだか、変わったメンバーですね。 P 志保もそう思うか?確かに、なかなか面白いメンバーだと思う。 志保 面白いって……プロデューサーさん、遊びじゃないんですよ。 P もちろん、その通りだよ。でも個性的なメンバーは、ユニットの魅力のひとつだと思う。 志保 はぁ……。それはそうと、他の人達は、まだ来ないんですか? 15分前に集合するなんて、当然のことなのに。みんな、プロ意識が足りないと思います。 P こういうことは、プロデューサーさんが責任もって注意するべきです。 まずは、みんなの自主性を尊重したいかな。志保も自分からやる気になってくれたことだし。 志保 ま、まあ……これも、チャンスですから。選ばれた以上は、結果を出すつもりです。 ガチャ 静香 おはようございます。志保、もう来てたのね。 星梨花 おはようございます、プロデューサーさん!重大発表があるって聞いたんですけど、なんですか? P おはよう、2人とも。そのことなんだけど……。 パタパタパタ…… 麗花 遅れてごめんなさ~い。カタツムリさんとにらめっこしてたら、つい夢中になっちゃって! 茜 ちなみに、麗花ちゃんを発見して連れてきたのは、茜ちゃん! 茜ちゃんね! ほめてほめて! 麗花 うん、えらいっ! ナデナデしちゃいます!ところで、今日は何のお話ですか? P よし、みんな揃ったな。実は今度、この5人で新しくユニットを結成することになって……。 P ……というわけで、この5人のユニット名は、クレシェンドブルー。リーダーは……。 茜 あ、そーゆーことね。わかったわかった、茜ちゃん完全に理解したよ! 新ユニット、その名も『プリティーニャンニャンズ』!もちろん、リーダーはこの茜ちゃん!! 静香 クレシェンドブルーです……っていうか、野々原さん、今説明を聞いたばっかりじゃないですか。 茜 いやいやモガミン、果たしてそうかな?その資料を開いてみるまで、わからないよ!? 観測するまでは無限の可能性があるっ!そう、それはシュレディンガーの茜ちゃん……! 志保 私は、先に来て説明を聞いていたので。クレシェンドブルーで、合っていると思います。 茜 ありゃりゃ。そうなの、しほりん?ちぇーっ。 P で、話を戻すと……このユニットのリーダーは、静香にお願いしようと思う。 静香 えっ!? わ、私が……ですか?ど、どうしよう。いいのかな、私で……。 志保 いいんじゃない。静香なら、冷静そうだし。 麗花 うんうん、そうだね♪静香ちゃんなら、とっても頼りになると思うな! 星梨花 わたしも、静香さんがリーダーなら、頑張れそうです! 静香 志保、麗花さん、星梨花……わかりました。みんながそう言ってくれるなら……うん。 プロデューサー、リーダーやらせてください。絶対、最高のステージにしてみせます! P その意気だ。頼んだぞ、静香! 静香 はいっ! 茜 まあ、茜ちゃんは影のリーダーっていうスタンス、嫌いじゃないからね。表はモガミンに任せるねっ! 静香 あ、そ、そうですね!野々原さん、よろしくお願いしますね。 麗花 じゃあ私は、救助隊をやっちゃいまーす! レッスンでみんなが遭難したら、助けにいくから安心してね♪ P ……遭難するような所でレッスンするつもりはないぞ? 星梨花 わぁ……みなさん、得意なことがあってすごいです!茜さん、わたしは何をすればいいですか? 麗花 そうだねー。星梨花ちゃんは、ほめ係かな!茜ちゃんがキラッ☆とした瞬間、すかさずほめる! 志保 ……はぁ……。もう、遊びじゃないのに……。 茜 ホラホラ! しほりんも早くポジション決めないと!早い者勝ちだよ~! 志保 プロデューサーさん。今日は、この話だけですか? P ああ、今日のところはユニットの顔合わせだけだ。レッスンの予定は、改めて連絡するよ。 志保 なら、お先に失礼させていただきます。お疲れさまでした。 P (さっそく、個性がぶつかり合っているな……。どんなステージになるか、今から楽しみだ) ・第2話「すれ違う想い」 +... 第2話 P (クレシェンドブルーの結成から、一週間。そろそろユニットとして、形になってきたかな……) 星梨花 ワン、ツー、スリー、フォー。ワン、ツー、はぁ、はぁ……。 志保 はぁ……っ……。 静香 星梨花、志保、大丈夫?すこし、休憩入れましょうか? 志保 はぁっ、はぁっ……問題、ないわ。続けましょう。 静香 でも……。 P そうだな、無理に続けてもケガをしかねない。みんな、休憩にしよう。 星梨花 大丈夫です、静香さん、プロデューサーさん!わたし、まだまだ頑張れます! 静香 星梨花……。 茜 え~っ? 茜ちゃんは疲れちゃったな~?星梨花ちゃん、休憩しようよ! 甘いモノでも食べて♪ 麗花 わー、素敵だね!でもでも茜ちゃん、甘いモノなんてどこにあるの? 茜 もちろん、今すぐ買ってきてもらうんだよ!ね、プロちゃん! P 任せろ そう来ると思って、買っておいたぞ。冷蔵庫に入ってるから、みんな食べるといい。 麗花 わ~いわ~い♪ ありがとうございます!あっ、プリントケーキがある♪ 素敵♪ 今日のプロデューサーさんには、プリンデューサーさんの称号をあげちゃいますね♪ 茜 ぬぬっ、やるなプロちゃん!だが、茜ちゃんの舌を満足させられるかな~? P どうかな。駅前のケーキ屋さんで買ってきた、本格的なやつだけど。 茜 なんと!? さすが茜ちゃんのプロちゃん、有能! 志保 ……はぁ……。 P 志保も少し休んだほうがいいぞ。水分も補給しないと。 静香 そうですね……それじゃあみんな、休憩にしましょう。ほら、星梨花も。 星梨花 は、はい……ありがとうございます。 志保 ……いいんですか? こんなことで……。 静香 志保……? 志保 休憩なんて、そんな余裕、今の私達にあるんですか?ただでさえ予定より遅れてるのに……。 P まぁまぁ。無理をして続けても、効率が落ちるだけだ。それで、みんなケガでもしたら困るし……。 志保 休憩が悪いとは言いません。でも、お菓子なんて……体調管理にも関わるし、練習時間も伸びます。 レッスン中の雑談も多いし、ムダが多すぎます。もっと集中すれば、短時間で終わるのに。 静香 それは、そうだけど……。 P 確かに、集中するのは大事だな。だからこそ……。 星梨花 あ、あのっ、志保さん!ごめんなさい、わたし、足を引っ張ってしまって……。 志保 別に、星梨花が悪いなんて言ってないわ。私は……。 茜 まあまあ、しほりん。昔のエラい人は言いました。プリンは冷やしてから食え、と……。 麗花 うんうん♪ 登山もね、絶対無理しちゃダメなんだよ。プリンって、富士山に似てるよね♪ 志保 ……今から休憩するなら、今日はもう、続きはできそうにないわね。 私、帰らせてもらいます。それじゃ。 静香 え!?ちょ、ちょっと……志保っ! パタン 星梨花 あの、静香さん。わたし達、志保さんを怒らせちゃったんでしょうか……? 静香 まさか。星梨花のせいじゃないよ。 でも、確かにちょっと遅れ気味だから……明日からは、もっとキッチリ進めていかないと。 星梨花 そうですね。みなさんと一緒だと、楽しくて、ついおしゃべりしちゃって……。気をつけます。 麗花 それで、今日はどうしよっか?私達も解散? 星梨花 わ、わたし……もうちょっと残って、練習しますっ。今日やったところ、できるようになりたいので……。 静香 私も付き合うわ、星梨花。一緒に志保に、いいところを見せましょう! 星梨花 は、はいっ! 頑張ります! 静香 レッスン室、使ってもいいですよね?プロデューサー。 P もちろん。ただし、あまり遅くなりすぎないようにな。明日もレッスンあるんだから。 静香達 はいっ! 茜 もちろん、茜ちゃんも残るよ♪モガミンだけに、いいところは持っていかせないよ! 麗花 私も残ろう~っと♪ 延長戦、延長戦~。 P (志保の気持ちは、どうにかみんなに伝わったらしい。この先も、目が離せないな……!) ・第3話「止まらない時間」 +... 第3話 P (クレシェンドブルーのステージプランも、だいぶ固まってきたな) (アイドル達の熱意に応えようと、スタッフも日々、頑張っている。いい公演にしないとな……) プルルルル…… P おっと、電話だ。はい、765プロライブ劇場です。 え? 箱崎さん……あ、星梨花のお父さんですか!?いつもお世話になっております! え? 昨日の星梨花の帰宅時間……?あっ……! 星梨花 そんな! わたしには何も言わなかったのに、プロデューサーさんだけ怒るなんて……。 P いや、ちゃんと連絡しなかった俺が悪かったんだ。中学生を、外が暗くなるまで帰さないなんて……。 確かに非常識だったよ。ずいぶん心配させてしまったようで、申し訳ない。 それで、お父さんとも話し合って、星梨花には門限を設けることにしたんだ。 星梨花 門限……。みんながレッスンしてるのに、わたし、先に帰らないといけないんですか……? P 心配しなくても大丈夫だ。レッスンに必要な時間は、きちんと確保するよ。 ステージに支障はないし、みんなにも迷惑をかけることにはならないから、安心して欲しい。 静香 よかったわね星梨花。レッスンも工夫するから、心配しないで、いつも通りやりましょう。 星梨花 は、はいっ!よろしくお願いします! 静香 それじゃ、みんなも待ってるだろうし。トレーニングルームに行きましょうか? P 俺もあとで見に行くよ。星梨花、静香、本番までもう少しだ、頑張ろうな! 星梨花達 はい! 志保 星梨花、タイミングずれてる!後半バテたからって、モタつかないで! 星梨花 は、はいっ! 茜 お~っとっと! みんなこっち寄りすぎ~!茜ちゃんが好きなのはわかるけど! 静香 はぁ、はぁ……。振り付けは、なんとか頭に入ったけど……。 タイミングは、体で覚えなきゃダメみたい。もっと歌もダンスも、回数をこなしていかなきゃ。 志保 ……そうね。もう、それしかないのかも。 麗花 そっか~。じゃあ、今日も残って練習する? P ああ、そのことなんだけど……。居残り練習は、なしにしようと思うんだ。 麗花 そうなんですか? 静香 はい、プロデューサーと相談して決めたました。練習は、時間通りに終わらせます。 茜 あれっ、そうなの? 意外……。 星梨花 ……。 志保 ……どうして、そうなるの?回数をこなすんじゃなかったの? 静香 そうだけど、それは練習時間の中ですればいいから。みんな、この公演以外の用事だってあるし……。 志保 他の用事……。 静香 志保? 志保 何でもないわ。……そう。リーダーのあなたが言うなら、仕方がないわね。 星梨花 ち、ちがうんです志保さんっ! あの……っ。 静香 なに、志保。言いたいことがあるなら、遠慮しないで。 志保 別に、何もないわ。それに、言ったからって、変わらないだろうし。 それより、もう時間でしょ。私、帰るわ。お疲れさまでした。 静香 ちょっと……志保! パタン P 大丈夫だよ、静香。志保には、俺から後でちゃんと話しておくから。 静香 プロデューサー……わかりました。お願いします……。 P (一筋縄ではいかないな……。だけど本番のステージまでは、まだ時間がある) (目指している場所は、みんな同じなんだ。歩幅と道筋だけ、そろえることができれば……) ・第4話「散らばった欠片」 +... 第4話 P (今日は外回りの仕事があるため、早朝に出社して、雑務を片づけることにした) (正直眠いけど、みんなの方が大変なんだ。早起きごときで弱音を吐いてる場合……、ん?) パタパタパタ…… P (今、足音が聞こえたような……。レッスンルームの方か?) P おーい、誰か居るのか? 星梨花 えっと、ここでターンして……あっ!プロデューサーさん、おはようございます! P 星梨花? どうしたんだ、こんな早朝に……。 星梨花 はい、自主レッスンです! 夜遅くがダメでも、朝早くなら明るいし、大丈夫かと思って……。 それでわたし、パパにお願いしたんです。最初は反対されましたけど、許してもらえました! P そうか……自分でちゃんと、相談できたんだな。えらいぞ、星梨花! 星梨花 えへへ……♪ プロデューサーさん、こういうの、朝練っていうんですよね? わたし、部活動ってしたことなかったから、なんだか楽しいです! P はは、楽しく練習できてるならいいんだけど。でも、くれぐれも無理しないようにな? 星梨花 はいっ! 麗花 おはようございまーすっ! ……あれ?星梨花ちゃんと、プロデューサーさん? P 麗花、それに茜まで。こんな早くに、どうしたんだ? 茜 それはこっちのセリフだよ! なんでこんな時間に、プロちゃんと星梨花ちゃんが? 星梨花 茜さん、麗花さん、おはようございます!わたし、今日から朝練を始めることにしたんです。 麗花 そうなの? 星梨花ちゃん、えらいね♪実は私と茜ちゃんも、秘密の特訓にきたんだ♪ P 秘密の特訓……?ちょっと待て茜、何を企んでいるんだ? 茜 なんで茜ちゃんピンポイントなのさ!?まぁ、間違ってないけど……。 実は茜ちゃんと麗花ちゃんで、お笑いコンビを結成しようと思ってね! 星梨花 えっ? お、お笑いコンビ……ですか? 麗花 そうなの♪ クレシェンドブルーの結成祝いがまだだったねって、茜ちゃんと話してて……。 茜 ライブの前に、みんなで親睦会を開くことにしたのだ!我ながら、ナイスなアイディアだよね~。 P 親睦会か……。確かに、それもありかもしれないな。 麗花 せかっくの親睦会だし、何かしなくちゃっと思って♪私達の出し物は、お笑いコンビにしたんです! P そうか。出し物から決めるのか……。 茜 そして今日が初のネタ合わせ! そのためだけに、茜ちゃん超早起きしたよ……エラくない? 麗花 でも茜ちゃん。せっかく星梨花ちゃんが朝練してるなら、私達も混ぜてもらったほうが良くないかな? 茜 う~ん……まあネタ合わせしなくても、茜ちゃん達なら、聞く人の腹筋を断裂させるくらい楽勝だね! あ、プロちゃん! お笑いコンビのことは、モガミンとしほりんにはまだ秘密だからね! 麗花 ナイショにして、ビックリさせたいんです。ふふっ♪ P わかった。言わないでおくよ。 麗花 それじゃ、星梨花ちゃん、茜ちゃん。今日のところは、練習頑張ろうね! 茜 おーっ♪ 星梨花 お、おーっ! P (みんながそれぞれ、自分達なりに、このユニットが上手くいくようにと工夫をこらしている……) (クレシェンドブルー、なんだかんだ言って、いいユニットになりそうじゃないか) P (やれやれ、外回りですっかり遅くなってしまった。みんなは、もう帰った頃かな……) 志保 …………っ!?プロデューサーさん……。 P 志保? どうしたんだ、そんなに急いで。レッスンはもう、終わったのか? 志保 っ……すみません。私、もう無理です。ユニット、抜けさせてください。 P え!? 抜けるって志保、一体何が……。 志保 失礼します! P あっ、志保!?行ってしまった……何があったんだ? 静香 待って、志保……!あっ、プロデューサー? 星梨花 プロデューサーさん!あの、こちらに志保さんが来ませんでしたか! P ああ、今すれ違ったけど……どうしたんだ?ユニットを抜けるとか何とか言ってたけど……。 茜 そうだよ、大変だよプロちゃん!茜ちゃんたちが漫才の練習をしてたら……。 麗花 志保ちゃん、怒って出て行っちゃいました……。自分はもう抜けるから。4人で頑張って、って。 茜 茜ちゃん、しほりんを笑わせようと思ったんだよ~。絶対爆笑だと思ったのに……。 星梨花 い、いえ……やっぱり、わたしのせいで……レッスンが遅れてるから……。 静香 違うわ、みんなは悪くない。全部私の責任なの。リーダーの私が、もっとちゃんとしていれば……。 P いいや、違うな……。昨日、志保と話すって言ったのに話せてなかった、俺のせいだ。 星梨花 でも、プロデューサーさんはお仕事で……。 P 志保と話すのも、何より大事な仕事だよ。 だから、みんなは気にしなくていい。後のことは、いったん俺に任せてくれないか? ……大丈夫だよ。志保は、必ず戻ってくるから。 静香 プロデューサー……わかりました。よろしくお願いします……。 P (誰が欠けても、クレシェンドブルーは完成しない。目指している景色はきっと、5人とも同じなんだ) ・第5話「それぞれの夢を刻むため」 +... 第5話 P おーい、志保! 志保 ……? プロデューサーさん? P よかった、追いついた。志保、ちょっと話をさせてもらえないか? 志保 すみません、急いでますから。 P じゃあ、一緒に歩きながらでいいかな。邪魔はしないから。 志保 ……まあ、そこまで言うなら。 P ありがとう。ところで、行き先を聞いてもいいか? 志保 ……保育園です。 P そうだったのか……保育園に、弟さんを迎えに……。 志保 はい。母の仕事が忙しくて……それで私が、代わりに迎えにいってるんです。 P だからレッスンが終わると、毎回急いで帰ってたんだな。 それなら、練習を時間どおりに終わらせるって方針自体は、良かったんじゃないか? 志保 時間が限られているから、1秒もムダにできないと思ってただけです。 決まった時間の分だけレッスンルームで過ごせば、練習したことになるとは思えませんし。 P もちろん、そんなこと思ってないよ。 志保 そうでしょうか? 他の人達は、サークル活動か何かのつもりみたいに見えます。 今日なんて、いきなりみんなで遊ぶ話しなんてして。親睦を深めるとか、言ってましたけど……。 私は、仕事でアイドルをやってるんです。遊びでアイドルをしてる人達とは、一緒にやっていけません。 P そうか……志保はみんなが、本気じゃないように見えたんだな。 志保 ちがうんですか? 遊ぶことばかり考えてたり、レッスンを早く終わらせたがったり。 とても、本気で取り組んでいるようには見えませんけど。 P アイドルへの取り組み方は、人それぞれだよ。何より、結果がものを言う世界だ。 志保 ……そうですね。でも私は、レッスンをしなくちゃ。人より練習しないと、結果が出せないんです。 結果を出さないと……。私は、アイドルになった意味がないのに。 P 志保……。 志保 静香だって……リーダーなのに、自分で言ったことを、全然……。 ああ、そうですね。プロデューサーさんのいう通り、人それぞれなのかも。 私は私なりに頑張りますから。みんなはみんなで、親睦でもなんでも深めればいいんじゃないですか。 P いや、志保がいないと意味がないんだ。実は……。 志保 星梨花に門限が……。それで、朝練を……。 P 静香が、麗花達の提案に乗り気だったのも、そういった事情を踏まえてなんだと思う。 親睦会で、お互いへの理解を深めることで、より良いステージになると考えたんじゃないかな。 志保 はぁ……。確かに、静香の考えそうなことですね。 練習時間がないって、知ってるのに。チームワークのために、茜さん達の提案を……。 P みんな、クレシェンドブルーのことを考えてたんだよ。志保と同じように。 志保 …………。 私とは、違うと思いますけど。私は……。 自分のことしか、考えてませんでしたから。 P 志保……。でも、当たり前だと思うけどな? 志保 え? 何を言ってるんですか? P みんな、自分の大事にしたいものを好き勝手に、大事にしてるだけだよ。 麗花は、みんなで仲良く頑張りたかったんだろうし、茜はとことん、楽しみたかったんだろう。 星梨花は周りに迷惑をかけたくなかったんだろうし、志保は、真面目に練習したかったんだろ? 志保 は、はい……。 P 静香はリーダーとして、そういうみんなの気持ちを、ひとつひとつ、大事にしたかったんだろうな。 志保 …………。 そういうことなら、言ってくれればいいのに。 P そう言うなって。家の事情とか、仲間には言いにくいじゃないか。 志保 まあ……。言う必要があることと、ないことがあると思いますけど。 P はは、それもそうか。まあ、言って困ることも無いと思うけどな。 志保 …………。 P と、そういうわけで……、志保。ユニットに戻ってくれないか? 志保 ……いいんですか?今さら……。 …………。 P 大丈夫だよ。みんな、志保を待ってるから。 志保 ……っ。わ、わかりました。明日、話してみます。静香や、みんなと……。 P (志保の、ユニットに対する熱意……この想いが伝われば、みんなは最高のステージに立てるだろう) ・第6話「Shooting Stars」 +... 第6話 志保 …………。 静香 …………。 P (昨日の今日だからか、みんな少し気まずそうだな。俺から話をしようか……) みんな、集まってくれてありがとう。それじゃ、聞いてくれ。志保は……。 志保 プロデューサーさん、大丈夫です。私、自分で話します。 P 志保……そうか。 静香 志保……その、ユニットやめたいって言ったの?プロデューサーに。 志保 ……言ったわ。 静香 い……今も、そう思ってるの……? 星梨花 志保さん、やめたりしませんよね?わたし、志保さんと一緒にステージに立ちたいです! まだ、ダンスは下手ですけど……でも、できるようになるまで、ちゃんと練習します! 志保 星梨花……。 私は……できれば、クレシェンドブルーのメンバーとして、ステージに立ちたいと思ってる。 静香 ! 志保……それ、本当? 志保 ええ。でもそれと同じくらい、下手なものをお客さんに見せたくない。 このユニットは、トップアイドルを目指すには大きなチャンスだわ。だから……。 静香 それは、私達だって同じだわ!みんな同じことを考えて……だから……。 P 静香……。 志保 ……そうみたいね。 でも、だったら先に言えばよかったのに。「星梨花の門限があるから練習は延長できない」って。 静香 それは……ごめんなさい。志保がいつも黙って先に帰るから、何だか言い出せなくて……。 志保が弟さんを迎えに行ってたこと、知ってたらよかったんだけど……。 志保 弟のことを理由に、遠慮されたくなかったから。……逆効果だったみたいだけど。 P 静香も志保も、お互いに心配をかけまいとして、すれ違ってしまったんだな。 茜 わかるよ~茜ちゃんにはわかる! 完全に理解した!モガミンの気持ちも、しほりんの気持ちもね……! 志保 はぁ……茜さんが、何を理解したのか、私にはわかりませんが……。 茜さんと麗花さんが、ユニットの仲を近づけようとしていたんだってことは、わかりました。 麗花 えっ、そうだったんだ!?茜ちゃんすごいね、えらいえらい♪ P 麗花……。 茜 麗花ちゃん……今ので、なんかいろいろ台無しだよ……! 星梨花 全員がクレシェンドブルーのことを一番に考えていたんですよね! よかったです……。 静香 ふふっ……そうみたいね! えっと、それじゃあ……。志保、握手しよう。仲直りの握手! 志保 え? まあ、いいけど……ふふっ。 静香 何? 志保 小学生のケンカみたい。 静香 い……いいでしょ、別に! ほら! P よし。これで仲直りは、無事完了だな。みんな、お疲れさま! 星梨花 はい!またみんなで、一緒に頑張れるんですね! 志保 ええ……でも、やるからには本気だから。レッスンは今までどおり、遠慮しないわ。 茜 そりゃもう! 茜ちゃんはいつだって本気だよ!ほら、見て見てこのやる気に満ちた表情! 志保 …………。 静香 志保。気持ちはわかるけど、野々原さんもこう見えてみんなのこと考えてくれたみたいだから……。 茜 アレ!? モガミンなんで今フォロー入ったの!? 志保 わかってるわ。ただ漫才は、よくわからなかったけど……。 麗花 う~ん……そうだ!志保ちゃんも、私達の漫才に加わってみない? 志保 え……。 茜 麗花ちゃん、ナイス!ささ、しほりん! こっちこっち! 志保 い、いえ、私は……プロデューサーさん。 P ふたりとも、今日のところはその辺にして……。 本番まで、あと少しだ。レッスンも本番も、ケガなく乗り切ろうな! 志保達 はいっ! P (最初は少し、心もとない部分もあったが……お互いへの理解で、ユニットの結束は高まったようだ) (一つに集った綺羅星たちが、お互いに輝き合う公演。……『プラチナシアター』の幕開けだ!) ・エピローグ「たどりついた景色」 +... エピローグ 茜 いやっほぉぉぉ!! 海だー!海だよ、プロちゃん! P 山ひとつ超えたところに、こんな穴場があったとは……麗花、よく知ってたな。 麗花 前に、登山で来たときに見つけたんですよ~。エッヘン! 星梨花 本当に、綺麗な海ですね! こんな素敵なところにみなさんと来られて、わたし、とってもうれしいです♪ プロデューサーさん! 今日は、わたし達のライブが成功した、ごほうびなんですよね? P そうだよ、今日はクレシェンドブルーの打ち上げだからな。思いっきり羽を伸ばすといい! 星梨花 はいっ、ありがとうございます♪ P さて、俺はバーベキューの準備をするとして……みんなは、先に海で遊んで来たらどうだ? 茜 さすがプロちゃん、気がきくね!それじゃ茜ちゃんは、遠慮なく……。 さあさあ、水をかけられたいみんな、かかってこ~い!茜ちゃんはテンションMAX! 記録更新中だよ! 麗花 わぁ、茜ちゃん元気だね♪それじゃ、いくよー! えいっ、えいっ!! 茜 いや麗花ちゃん、いきなり飛び道具はダメじゃない!?……って、いやいや、バケツはもっとダメだってー! 静香 荷物はここでよしっ、と……。志保、ふくらませるの手伝って。 志保 ……ビーチボール?まさか静香、それで遊ぶつもりなの? 静香 そうだけど。だって、浜辺と言ったらビーチバレーでしょ。 志保 前から少し思ってたけど……静香。あなた、ちょっと子どもっぽいんじゃない? 静香 なっ……だ、誰が、子供っぽいですって!? 志保 そうやって、すぐムキになるところとか。 静香 む、ムキになってなんか……わかった。もしかして志保、ビーチバレー苦手なんじゃない? 志保 別に。 静香 本当? 志保 ……確かめてみる? 星梨花 ふふっ。静香さん達、とっても仲良くなりましたね。楽しそうです! 茜 そ、そうかなー?茜ちゃん、目から火花出てるのが見えたけどなー? 麗花 えっ! くすん、見逃しちゃった……。もう一回出してくれないかな? 茜 うーん、目には見えないと思うなー!宇宙人ならビームくらい出るかもだけど! 茜ちゃんの目力が高まると、ナデナデして光線が出るよ! ねっ、プロちゃん♪ 麗花 そうなんだ? 茜ちゃん、すごいね!私にもその目、ちょっと貸してほしいな~。 茜 麗花ちゃん、茜ちゃんの目はアタッチメント式じゃないからね! 取ろうとするのやめてね! 静香 あっ、星梨花。茜さん、麗花さんも。こっちで一緒に、ビーチバレーしませんか? 星梨花 あっ、やりたいです!えっと……どっちのチームに入ったらいいですか? 志保 別に、好きな方でいいんじゃない? 星梨花 ええっ、そんな……わたし、決められません!おふたりとも、大好きですから……。 静香 せ、星梨花……。 志保 ……別に、好きってそういう意味じゃないんだけど……。 茜 そこで愛されキャラ茜ちゃん登場ー! さあさあ、茜ちゃんのことも取り合っていいんだよ! ホラホラ! 麗花 あっ、じゃあ私、審判やりまーす♪ トリプルボギーが20点、スーアンコウが60点、ロイヤルストレートフラッシュが100点だよ♪ 静香 えーっと……あれ?麗花さん、ビーチバレーの話してます……? 志保 なんだか、もうめちゃくちゃ。……ふふっ。 P よかった。志保も充分、楽しめてるみたいだな。なら、もう……今更必要ないか? 志保 ……?プロデューサーさん、どういう意味ですか? P いや、志保の顔を見て思い出したんだけど……。今朝、志保のお母さんから電話があったんだ。 志保 えっ!? は、母から? どうして……。 P 今日一日、志保をよろしくお願いしますって。そうそう、弟さんも電話に出てきてくれたな。 お姉ちゃんに、たくさん楽しんできてねって伝えてください、って言われたんだよ。 志保 な……ど、どうしてそういうことを、今言うんですか!? P その、朝はバタバタしてたから、つい伝え忘れて……。ごめん、悪かった! 志保 ……はあ。もういいです。 それより、早くお昼にしましょう。バーベキューが焦げますから。 P ああ、そうだな。おーい、みんな! お昼にするぞー! 静香達 はーい! P (クレシェンドブルーは、衝突やすれ違いを乗り越えたからこそ、最高のユニットになった) (ユニット活動はひと段落だが、今回の経験でみんな大きく成長した。これからが楽しみだな!) ◆トップへ戻る◆ 覚醒エピソード 「クレシェンドブルー 北沢志保」の覚醒エピソード P (明日からまた新しい公演が始まる。リハーサルも終わったし、あとは……) 北沢志保 プロデューサーさん、お疲れ様です。 P あれ、志保?まだ着替えてなかったのか? 北沢志保 ええ。ダンスの振り付けに、心配なところがあったので。 P そうか、居残りお疲れさま。でも、早く帰らないといけないんだろ? 途中まで送っていくよ。 北沢志保 ……仕事は、いいんですか? P 今日は余裕があるんだ。それに、アイドルの送迎も仕事のつい……だから、サボっているわけじゃないぞ? 北沢志保 別に、何も言ってませんけど……。ところで、プロデューサーさん。 ありがとうございました。 P ……何の話だ? 北沢志保 何って……いえ、わからないならいいです。とにかく、クレシェンドブルーの時の話は、これで終わりです。 P (クレシェンドブルーのことだったのか……) 北沢志保 話は、それだけです。私はひとりで帰れますから。それじゃ。 P あっ、志保……いっちゃったか。 (志保なりに、気にしてたんだな。クレシェンドブルーの時の話……。また今度、みんなで話そう) 「クレシェンドブルー 野々原茜」の覚醒エピソード 茜 ねえねえプロちゃん!みんなの前じゃ言いづらいことって、あるよね? P ……?茜、どうしたんだ? 急に 茜 いいんだよ、プロちゃん! 今なら誰もいないんだから、茜ちゃんをナデナデしても……! プロちゃんも、見てたでしょ?クレシェンドブルーでの、茜ちゃんの活躍を! 茜ちゃんがいなかったら、ユニットはバラバラに空中分解していたよね! 確実に! 木っ端微塵に! P 不穏なことを言うな……。確かに茜は、クレシェンドブルーのムードメーカーだったけどな。 茜 でしょでしょ!やっぱり茜ちゃんのおかげだよね! ねっ? P まあ、部分的にはそう言えるな……。偉いぞ茜! よくやった! 茜 まあね! 茜ちゃんくらいになるとユニットのひとつやふたつ、上手くいって当然だけどね~☆ というワケで……今日はご褒美に、プリン食べに行こー!! P それが目的だったのか……。 茜 いいじゃんいいじゃんプロちゃん!茜ちゃん偶然にも、いいプリン出す店知ってるから! 大丈夫、この近くだから! ホラホラプロちゃん、早く早く! P (まあ、レッスンも真面目に頑張っていたし……今日は茜を、たくさん褒めてやることにしよう!) ◆トップへ戻る◆ ブログ ・野々原茜(イベント開始前) +... 茜ちゃんから、みんなにお知らせ☆ やっほー! みんな元気かニャ?野々原茜ちゃんだよー!!突然だけど、茜ちゃん、こんど『クレシェンドブルー』っていうユニットで、ライブをやっちゃうんだよね☆気になるメンバーは……北沢志保ちゃん、最上静香ちゃん、箱崎星梨花ちゃんアーンド北上麗花ちゃん、そして茜ちゃんの5人だよ♪これはもうマストで見るべきだよね!!見ないと一生後悔しちゃうぞ今からバッチリ予定を立てておいてね!茜ちゃんとの約束なのだ~♡じゃ、本番に向けて……盛大な茜ちゃんコール、みんな練習しておいてね♡カワイイカワイイ茜ちゃんでした ・北沢志保(イベント終了後) +... 公演を終えて。 北沢志保です。私達クレシェンドブルーのライブを見に来てくださって、浦東にありがとうございました。無事、公演を終えることができました。初めてのユニット活動で、戸惑うことも色々ありましたけど……結果は出せたかな、と思っています。来てくれたみなさんも、楽しめたらいいんですけど。次のライブでは、もっと楽しめるものにしてみせます。期待しててください。それでは、また。 ◆トップへ戻る◆ メール 野々原茜「プロちゃんへ」 +... プロちゃんへ |ねえねプロちゃん。今、そばに誰もいない?もし1人だったら、画面を下までスクロールしてもらっていいかニャ?やーいプロちゃんの非モテごめんちがうよ、茜ちゃんつい調子に乗った消さないで~!!ホラ、今回茜ちゃん達、途中でしほりんのコトちょびっと怒らせちゃったでしょ?でも、さすが茜ちゃんのプロちゃんだね!あのしほりんが、すぐに戻ってきたから茜ちゃんすごいビックリしたよでも、それを見て、茜ちゃん確信したよ……プロちゃんになら、茜ちゃんのプロデュースを任せられる……ってね!!アイドル界のテッペン獲りに行くよ茜ちゃんチョーカワイイし、あっという間だよ♡だからプロちゃんは、これからずーっと茜ちゃんのこと、見ててねぜったい、約束だからね♪ ・北沢志保「お疲れ様でした」 +... お疲れさまでした 北沢志保です。今回のイベントの準備中、色々と時間をとらせてしまって、すみませんでした。あと、ライブの準備、お疲れ様でした。それだけです。失礼します。 ◆トップへ戻る◆